テレビで学ぶ「男女共同参画社会とジェンダー」(2014年10月21日更新)

授業の冒頭でお話しした雑談

  1. 香川真司の「スポーツブラジャー姿」について
  2. ロシアの生理用品のCMについて

授業の冒頭でお話ししようとしていた雑談

  1. 国会議員の呼称について(2014年10月21日公開、2015年1月10日追記)

プレゼンテーション資料

教材として紹介したテレビ番組

結婚と性

性の多様性

スポーツと性

障害と笑い

配布資料

質疑応答

質問・感想・意見など 回答・コメントなど
プレゼンテーションで使っていたパソコンは何ですか? AppleのMacBook ProとKeynoteの組み合わせです。MicrosoftのPowerPointは使いませんでした。
障害者がお笑い芸人をしていることに驚きました。 日本で一番有名なのは“史上初の身体障害者のお笑い芸人”ホーキング青山でしょう。
日本ではなぜ同性の結婚が認められていないんですか? 日本国憲法第24条に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し...」とありますが、結婚相手が異性でなければならないとされているからです。その他の関連する法律も、異性との結婚が前提になっています。
日本でも同性の結婚が認められるべきだと思います。 同性同士の婚姻を認めると出生率が下がって人口が減ってしまうかもしれませんから、そのリスクは考慮しておく必要があるかも知れません。養子をもらえばよいのではないか、と思うかもしれませんが、養子は別の誰かが生んでくれた子供ですから、全体としては人口は増えません。
障害者が芸人として頑張っている、前向きに生きているということに関心しました。 障害者を「かわいそう」「がんばっている」「すごい」などと必要以上に特別視しない方がよいかもしれません。
男女の平等・男女共同参画を目指す法律があるのにも関わらず、企業などでの実態があまり変わっていないのはなぜですか。 一概には言えませんが、そのような差別的な仕組みや構造があることによって、誰かが何らかの利益を受けているからだと思います。少し関係ない話をします。私は企業で働いたことはありませんが、少なくともアルバイトをしていた20年くらい前の官公庁では、始業時のお茶汲みは女性の仕事でしたし、会議中にタバコを吸っていた上司に灰皿を渡すのも女性の仕事でした。特に、部下が上司に灰皿を渡すのは、「部下である女性のあなたは、男性(特に上司)がタバコを吸っている時には、黙って灰皿を持ってくるくらいの気遣いを見せるべきだ」ということをその女性に対して無言で教育しているかのように、20歳くらい若かった私には思えました。
差別や区別をするのはよくないことだと思いました。 厳密に言えば、区別することと差別することは異なりますから、誤解しないようにしてください。例えば、女性と男性を区別せずまったく同等に扱うということは、局面・場面によっては不可能です。
講義での「これからどんどんわけのわからない社会になる」ということばが印象に残りました。 「現代社会は明治維新と同じくらいの変革期にある」というようなことを言う政治家・評論家はたくさんいます。少なくとも、私くらいの知識レベルでは、これからどのような社会になっていくのか、いい意味でも悪い意味でも理解できず、想像もできないのです。これから社会がどうなっていくのか、私には本当にわけがわかりません。
モノの考え方を広げるには、色々学ばなければならないのでしょうか。それ以外の方法があるのでしょうか。大学でしかできないことがあるのでしょうか。 難しい質問だと思います。まず、世の中のできごとやものごとを考える場は、大学だけではないと思います。ですから、高校を卒業して就職をしたりフリーターになっても、世の中のものごとやできごとを考えることは可能でしょう。むしろ、テキトーにのほほんと生きていたら職を失ったり人生計画がめちゃくちゃになってしまうので、かなり本気で考えなければなりません。大学に入学すると、退学・卒業後にさまざまなことがらについてかなり本気で考えるまで一定の猶予期間が確保できることは、非常に有利かもしれません。しかも、さまざまな講義・教員を通じてさまざまなことがらについての情報を得ることができるのも有利に働くと思います。また、図書館などのサービスもかなり安価に利用できます。だからといって、大学に進学しなければならない、大学に進学しなければ人生に不利益が生じる、というのは浅はかな考えだと思います。世の中には大学に進学していなくても立派に働いておられる方々がたくさんいらっしゃいます。
模擬授業で扱った内容は「国際」というより「社会」という感じが強かったように思います。 そのとおりだと思います。ですが、あえて逆に質問すると、あなたが期待する「国際」的な勉強・学問とはいったいなんでしょうか、と問いかけます。授業時間中に少しだけ言いましたが、模擬授業で扱った内容は日本・日本人だけの問題ではありません。例えば、日本には「外国人集住地域」と呼ばれる地域がたくさんあります。静岡県の浜松市、群馬県の大泉町、愛知県の豊田市などが非常に有名です。これらの地域でも、男女共同参画・セクシュアリティ・ジェンダー・家族の問題は非常に重要です。例えば、浜松市に移住してきたブラジル人やペルー人の子供がどのように教育を受け、どのように地域社会で育ち、どのように地域社会に貢献できるような人材になっていくか、ということを考えてみましょう。そうすると、ブラジル人やペルー人が就いている仕事が日本の政治・経済状況と密接に関係があること、ブラジル人やペルー人と浜松地区の住民(主に日本人)との間に文化的な摩擦やトラブルや誤解や偏見などがあること、経済状況が悪化したためにブラジル人やペルー人が引っ越しや帰国をしなければならない場合に子供が安定した教育を受けられない可能性があること、子供がやがて成人になり恋愛・結婚することになったらその時の地域社会はどうなっているだろうか、例えば、浜松地区で知り合った日本人と結婚することになったら家庭をどのように作り上げていくべきか、その他にもさまざまなことがらが挙げられますが、われわれが現代社会で直面している問題は、日本・日本の地域社会・日本人というような視点からだけでは理解したり把握することができません。逆に言うと、われわれの日常生活を注意深く観察すると、一見すると「国際」的ではないさまざまなことがらが日本・日本の地域社会・日本人だけではなく、他の国々や他の文化・人種・民族との関わりを持っている場合がある、ということがわかります。