以下の映画を視聴し、第二次世界大戦中のドイツ軍が開発した機械式暗号機「エニグマ」による秘匿通信について理解を深める。テキスト13章を参照のこと。
ある日、チューリングは暗号解読の作業室でヒルトンとぶつかり、書類を落とした。書類を拾い上げたチューリングは偶然にも、ケアンクロスが隠し持っている聖書を発見した。その聖書は、マタイ第7章をすぐに参照できるように、ページの角が折られていた(映画の1時間26分0秒からのシーン)。その瞬間、マタイ第7章を鍵としたビール暗号(Beale cipher)の解読についてアレグザンダーと交わしたかつての会話が鮮明によみがえってきた(映画の57分25秒からのシーン)。
「マタイ第7章を鍵としたビール暗号」は、おそらく以下のように利用される。はじめに、マタイ第7章に書かれている一つ一つの単語に対して出現順に数値を割り当てていく(1番目の単語には1、2番目の単語には2、...99番目の単語には99、100番目の単語には100、101番目の単語には101、のように)。そして、それぞれの単語の一文字目を割り当てられた数字に置き換える(例えば、56番目の単語がtheyならtを56に、103番目の単語がourならoを103に、のように)。最後に、原文の文字を一つずつ数字に置き換えていく。すべての文字・単語・文章が数字に置き換えられた暗号文は、逆の手順をたどって復号すれば、確実に解読することができる。
聖書は全世界で広く普及していて、世界のどこでも簡単に入手できる。暗号化・復号化の拠点でそれぞれに入手すればよいので、コストが低い。両拠点でまったく同じ文章を参照できればよいので、聖書以外の書籍、例えば、小説や辞書を使ってもよい。1885年発行の『ビール文書』(The Beale Papers)で有名になった暗号文では、3枚中の2枚目はアメリカ独立宣言が鍵として利用された。このような書籍暗号(book cipher)は、特別な暗号表やコードブックを事前に作成・共有する必要がないので、簡便に利用できる。
ディスカッションの冒頭で、「この1ヵ月間に本を読んだか?」という質問を投げかけた。一般的に言うと、このような質問には答えにくいし、その後のディスカッションもビミョーな雰囲気になると思う。本を読んでいない人は負い目や引け目のような感情を抱いて、ディスカッションでも発言しにくくなるのが一般的だと思う。ところが、この授業では、本を読んでいない受講生からも発言があった。率直に言って、とてもよいことだと思ったし、発言をした学生は勇気があるなと感心した。
全国大学生活協同組合連合会の調査によれば、2015年以降、およそ45〜50%の大学生はまったく読書をしていない。端的に言えば、大学生が読書をしないのはごく当たり前のことだから、この授業の受講生が読書をしていないとしても、なんら驚くに値しない。アルバイトや部活動・サークル活動に忙しいだろうから、読書に充てる時間はないだろう。また、いつの時代も可処分所得が少なく、本を購入するためのお金がないのは大学生あるあるだ。だから、大学生が読書をしなくて当たり前だ。
このこととは関係なく、大学生がまったく読書をしないのは本当に馬鹿げたことだということは強調しておきたい。本学部に関して言うと、卒業論文執筆が卒業要件になっている。卒業論文を書くためには、それなりに学術的な文章をそれなりに書く必要がある。それなりで十分なのだが、学術的な文章を書くのには練習が必要で、よい手本も必要となる。その手本の候補は、学術書・専門書と呼ばれる本だ。学術書・専門書を読むのは、コミックやラノベ、エンタメ雑誌を読むのとはちょっと違う特別な活動だから、気軽に読み進めていくことはかなり難しい。また、学術書・専門書は高価だから、気軽に購入することはできない。でも、本学の図書館には学術書・専門書が所蔵されているのだから、それらを借りて読めばよい。所蔵はかなり充実しているから、使い勝手がある。しかも無料だから、コスパは最高だ。
これらのことを前提に、少なくとも本学部の学生は、卒業論文執筆に向けて学術書・専門書を読むことを少しずつ積み重ねていかなればならない。だが、読書経験がまったくゼロだとしたら本当に馬鹿げているとしか言いようがないし、本当にもったいないことだ。
「World Wide Webとは何か」を考える時に、「World Wide Webとは○○○○である」という連想ゲームをやってみた。あがったキーワードは「Google」と「Edge」だった。ここから、「Googleとは△△△△である」「Googleで◇◇◇◇をする」「Edgeとは◎◎◎◎である」「Edgeで□□□□をする」を検討してみた。
例えば、Googleについては、「Googleを使って情報検索をする」「情報検索をして歌手のページを見る」「そのページにはプロフィールや出演情報に加えて、数々の写真も掲載されている」「そのページに記載されているリンクをたどっていき、InstagramやYouTubeを見る」「Instagramで告知されていたコンサートのチケットをネット購入したことがある」という具合だ。また、Edgeについては、「EdgeとはMicrosoft製のブラウザーである」「ウェブブラウザーには他にも、Google製のChromeやApple製のSafariがある」「SafariはiPhoneでも利用している」「iPhoneのSafariでUniversal Passportを利用したことがある」という具合だ。
連想ゲームをそれぞれあと2〜3段階続けていくと、自分のウェブ利用体験の全容がおぼろげながらに浮かんでくるはずだ。出発点となるキーワードをもう1つか2つ付け加えてもいいだろう。浮かんできた全容は断片的かもしれないが、ところどころにはつながりがあるはずだ。それらをうまく紡ぎ合わせていき、全容がより鮮明に明確になるように、少しだけ組み換えていく。そして、自分の言葉で表現をする。それが、あなたの実体験にもとづいた、あなた独自のWorld Wide Webの定義だ。
Wikipediaには世界各国の情報が国別に掲載されているが、首都、公用語、人口、面積、GDPなどの基礎情報に加えて、ccTLDも紹介されている。例えば、日本のページにはccTLDが「.jp」であることが記載されている。自分が関心を持っている国についてもぜひ確認してほしい。
新しい国が生まれると、新しいccTLDが生まれる。Wikipediaでぜひ調べてほしい。この20年間に誕生した国について言えば、2011年にスーダンから独立した南スーダンのために「.ss」の運用が開始された。他にも、2007年には、セルビア・モンテネグロが分離・独立したセルビアとモンテネグロのために「.rs」と「.me」の運用が開始された。また、2008年にセルビアから独立したコソボには、暫定かつ非公式ではあるが、「.xk」が割り当てられている。
国が解体されたり消滅すると、ccTLDも廃止される。このことについても、Wikipediaをぜひ調べてほしい。例えば、ユーゴスラビアに割り当てられていた「.yu」は後継国セルビア・モンテネグロでも利用されていたが、2006年のセルビアとモンテネグロの分離・独立の後、2010年に廃止された。同様に、チェコスロバキアに割り当てられていた「.cs」は、1993年のチェコとスロバキアの分離の後、1995年に廃止された。ちなみに、「.cs」はセルビア・モンテネグロ(2003年発足、2006年消滅)に割り当てられたが、同国がユーゴスラビア由来の「.yu」を継続利用したため、一度も使われることがなかったとされている。
IPv4のIPアドレスは約43億個あるのだが、正確には「2の32乗」個である。そんなに難しい計算ではないが、手計算すると面倒くさく、間違えてしまう可能性もある。だから、Excelを利用してほしい。
同じ数を何度も繰り返し掛け算する「べき乗」「累乗」は、Excelでは「^」(caret、キャレット、カレット)で計算できる。2の32乗は「=2^32」とセルに入力すれば自動計算される。結果は「4294967296」である。桁数が多すぎると読みにくくなるから、セルの書式設定を変更して、「桁区切り(,)」を利用するのがよい。「4,294,967,296」と表示が変わるはずだ。
「べき乗」「累乗」はPOWER関数でも計算できる。2の32乗の場合、「=POWER(2,32)」と入力する。1つ目の引数(ひきすう、argument)は基数(base、掛け算をしたい数)で、2つ目の引数は指数(exponent、掛け算を繰り返す回数)だ。キャレットで計算した場合とまったく同じ結果が得られるはずだ。
IPv6のIPアドレスの数も、同様の方法で自動計算してほしい。「3.40282E+38」という結果が表示されるはずだ。これは「3.40282×10の38乗」という意味だ。「E」は指数(exponent)だ。もしEの次にマイナス記号が表示されていたら、「10のマイナスxx乗」の意味だ。このように、計算結果の桁数が膨大になる場合には「浮動小数点数」(floating-point number)で表記される(電卓でも同様の計算結果を見たことがあるかもしれない)。セルの書式設定を変更すれば、すべての桁を表示することができる。しかし、最初の15桁までは正確な数値だが、16桁以降は0が表示されるはずだ。近似値(approximate value, approximation)の概念やExcelでの計算の限界を含めて、コンピューターの数値表現の特徴についても理解しておこう。
Wi-Fiルーターのセキュリティ対策の基本は、ファームウェアアップデートを行うことだ。Windowsパソコンの場合、Microsoftが毎月第2火曜日にWindowsUpdateを更新するから、月に1回の対策を行うことになる。ルーターの場合には、メーカーが毎月ファームウェアを更新するわけではないから、対策は不定期に行うことになる。気が向いた時に、数ヵ月に1度の頻度で、メーカーのウェブサイトでサポート情報ページを確認すればよいだろう。もちろん、ルーターのセキュリティ対策がマスメディアで大々的に報道されるかもしれないから、その場合にはなるべく早くサポート情報を確認してほしい。
メーカーから新しいファームウェアが更新されていれば、直ちに更新作業を行いたい。更新作業の手順はサポート情報ページに記載されているはずだ。更新作業が煩わしいと思う人は、ルーターの管理者画面で「ファームウェアの自動更新」を行えばよい。簡単な操作で更新の確認・実行ができる。ファームウェア更新は5分程度で終わる。安心安全を確保するために、5分の時間を惜しまないようにしたい。
自宅で無線LANを利用する時に、利用可能な無線LANのリストを確認してほしい。非常に多くのSSID(ネットワーク名、無線LANルーターの名称)が表示されるはずだ。その中には「鍵マーク」が表示されていないものがあるかもしれない。それが、暗号化キー(ネットワークキー、セキュリティーキー、ルーターを利用するためのパスワード)が設定されていない無線LANネットワーク、つまり「オープンネットワーク」だ。
オープンネットワークを利用する危険性は授業時間に説明したとおりだ。この逆で、例えば、暗号化キーを設定せずに、あなたの自宅で無線LANルーターを利用する(つまり、自宅でオープンネットワークを運用する)ことの危険性は何だろうか。
テキストで説明されているとおり、もし暗号化キーが設定されていないなら、電波を受信できる人は誰でもあなたの無線LANネットワークを利用することができる。ユーザーはほぼ無制限でインターネットを利用することができる(ルーターの管理者であるあなたの許可はいらない)。もし悪意を持ったユーザーが犯罪行為を行ったら、あなたのルーターを経由して犯罪行為が行われることになる(あなたのルーターが犯罪行為の「踏み台 stepping stone」として利用される)。もちろん、あなたにはルーターの管理責任が問われることになる。もし暗号化キーが設定されていれば、悪意を持ったユーザーがあなたのルーターを利用することはなかったはずだ。あなたのルーターが犯罪行為の踏み台になることもなかったはずだ。
江戸時代中期から明治期にかけて日本で利用されていた「旗振り通信」についての映像資料を視聴し、情報通信の歴史について理解を深める。
授業担当者の青山はかつて愛知県の知多半島に暮らしていた。上記の柴田(2021)によれば、知多半島の西海岸にある常滑市にも旗振り通信の拠点があった。この拠点は、伊勢湾を隔てた対岸の三重県鈴鹿市の拠点との間で通信を行っていた可能性が高い。「マピオン キョリ測」で計測すると、2つの拠点の直線距離は約22Kmだ。海を隔てた20Km以上の距離で通信が行われていたとすれば、驚くばかりだ。
ちなみに、静岡県内で海岸を隔てた約20Kmの地点というと、駿河湾フェリーが就航する清水港・土肥港間がおよそあてはまる(直線距離で約25Kmの県道223号、フェリーで約1時間20分)。清水港にほど近い三保半島の海岸からは、対岸の伊豆半島がよく見える。しかし、対岸の様子を肉眼では見ることはできない。残念なことに、これまで常滑市の海岸には行ったことがないのだが、おそらく、肉眼で鈴鹿市の海岸が見えるのだろう。次に知多半島を訪れることがあれば、常滑市の海岸に行き、通信環境を実際に確認したいと思っている。
また、柴田(2021)によれば、常滑市に隣接する武豊町にも通信拠点が、半田市には米相場取引所があったとのことだ。これら2つの拠点は、衣浦湾(三河湾)を隔てた西尾市の拠点と通信を行っていた。拠点はさらに東にも設けられていて、豊橋市の米相場取引所や静岡県浜松市三ヶ日の拠点と通信を行っていた。その東にも通信網は伸びていただろうが、その様子はよくわかっていない。自分の慣れ親しんだ地域がかつての米相場取引の舞台になっていたことを知り、非常に驚いた。
参考文献リストを作成する時、奥付に記載されている書誌情報をタイピングしてもよいが、出版社・図書館・オンライン書店が公開している書誌情報を転記・コピペすればよい。特に、出版社が公開している情報にはまず間違いがないのだから、タイピングするよりも確実だ。この観点で、「正しいコピペ」を行ってほしい。
小学校のプログラミング授業では、Scratch(スクラッチ)のようなビジュアルプログラミング言語が利用されることが多い。ビジュアル言語の特徴は、プログラミングを直観的に、楽しく進められることだ。パズルを組み立てていくように、画面上のブロック(プログラムの部品)を組み合わせていくことで、プログラムを完成させていく。今回の授業で習ったJavaScriptのようなキャラクターベース(文字主体)のプログラミング言語ではないから、言語の文法や構文の詳細を覚える必要がない。
同様のプログラミング環境は、学校教育以外の領域でも普及しつつある。テレビCMでおなじみの「キントーン」など、業務用ウェブアプリケーション開発のためのノーコードプログラミング環境を提供する企業の業績が伸びている。DX時代の人材育成、従業員の再教育、新しいビジネススキルの再開発の観点で、ノーコードプログラミングへの関心が高まっている。
草薙キャンパス防災訓練のため、授業は実施しませんでした。
地震を想定した避難訓練でおなじみの「机の下に潜って頭部・頸部を覆う」は英語でduck and coverという。冷戦下のアメリカの小学校では、核攻撃を想定した避難訓練でduck and coverが実践されていた。危機を察したら甲羅の中に身を潜めて安全を確保する亀のバート(Bert the Turtle)が避難訓練のアイコンだった。
もし空が光ったら、いち早く避難しなければならない。核兵器の威力は恐ろしく、もし被爆してしまったら日焼けどころの騒ぎではない。学校の運動場で遊んでいる時や街中を歩いている時ならば、すぐ近くのシェルターに隠れるのだが、シェルターに隠れることができない時はduck and coverだ。
教室での授業中や食堂での食事中だったら、机やテーブルの下に潜ってduck and coverだ。学校の廊下を歩いている時だったら、壁に向かって寝ころんでduck and coverだ。顔を壁に向け、頸部を手でしっかり覆うのが重要だ。同様に、街中を歩いている時だったら、頑丈な建物に向かって寝ころんでduck and coverだ。奥まった戸口もduck and coverに適した場所だ。街中で自転車に乗っている時だったら、自転車を乗り捨てて、物陰に隠れるように身を低くしてduck and coverだ。スクールバスに乗っている時だったら、窓から離れてduck and coverだ。休日にピクニックを楽しんでいる時だったら、レジャーシートでも新聞紙でもなんでもいいから、とにかく顔と頸部を隠してduck and coverだ。いつどこに誰といても、空が光ったら、何はなくともduck and coverだ。
関心がある人はDuck and Cover (1951)をぜひ見てほしい。投稿されているコメントも非常に興味深いので、ぜひ目を通してほしい。
平均的な大学生には、著作物を盗用される、独自のアイディアをパクられる、という経験がほとんどない。だから、著作権をめぐる社会問題に共感しにくいかもしれない。自分の持ち物が盗まれて手もとからなくなってしまった、持ち物が壊されてまったく使えなくなってしまった、肉体が傷つけられて痛みが長期間続いた、受けた傷を治療するために高額の治療費を支払った、というような、大学生でも経験する可能性の高い「わかりやすい被害」とは異なる。だから、著作権侵害の深刻さがいまいち理解しにくい、ということはありうると思う。
大学入試の受験生87名の解答用紙を回収するという業務を想定する。もちろんだが、回収するだけではダメだ。回収した解答用紙の枚数を確認し、受験生数と照合しなければならないからだ。大学生なら誰しもこの光景を受験生として目撃しているはずだ。
試験会場が10人10列合計100席の教室だとすると、1列目の1番目、2番目、3番目...9番目、10番目、2列目の1番目、2番目...というように受験生が着席するわけではない。だから、各列の受験者数はそれぞれに異なるのが一般的だ。だから、解答用紙を回収する前に、各列の受験者数を数えておくのがよい。そして、列ごとに受験者数と解答用紙数を照合すればよい。もしすべての列の照合結果が合っていれば、解答用紙数を合計すればよい。合計が87枚になれば回収完了だ。しかし、数え間違いをする可能性があるから、その場合には再度照合すればよい。ただし、すべての列を再度照合するのではなく、間違っている列だけを照合し直せばよい。照合結果が正しい列をもう一度照合し直す必要はないからだ。このようにすれば、かなり効率的に照合が終えられ、回収業務が終了する。87名の解答用紙を回収するという業務を細かく分割し、分割した業務の結果を統合する、という方針=アルゴリズムだ。
もちろん、業務を分割せずに進めることもできる。ただし、効率が悪くなることが多い。例えば、列ごとの照合を行わず、すべての解答用紙をまとめてから照合してもよい。そうすると、1、2、3、4、5...54、55、56...84、85、86、87のように、解答用紙を1から87まで数え上げていくことになる。大学入試業務の従事者=大学教員であれば1から87まで数え上げることはいとも簡単なことだ。だが、集中力が切れていくつまで数え上げたのかが途中でわからなくなってしまうことがある。解答用紙をうまくめくることができずに数え間違えてしまうこともある。実際にこのようなことは頻繁に起きる。残念なことだが、大学教員の能力はその程度のものでしかない。もし間違えてしまった時に、もう一度1から数え直せばよいのだが、もう一度間違えてしまうこともありうる(大学教員の能力はたかが知れている)。この問題を防ぐために、解答用紙10枚を数え上げたら取り分けて、87枚の解答用紙を細かく分割しながら数え上げていく。もちろん、10枚でなくても20枚でもよいだろう。20枚×4束+7枚=合計87枚で、照合が容易になる。
結局のところ、87枚の解答用紙を回収するという一見すると簡単な業務であっても、いくつかの小さい業務に分割するのが適切なのだ。不適切な方針で業務を進めると、問題が生じた時に対応が難しくなることもある。「アルゴリズム=課題の取り組み方、業務の進め方」という観点で、日常生活を観察し直してほしい。
身近なフィルムカメラとしては、富士フイルム社の「写ルンです」以外にも、同社のインスタントフィルムカメラ「チェキ」が知られている。例えば、本学の学位記授与式では、学部後援会の助成を受けて、自由にチェキで記念写真を撮影できるように、卒業生へのサービスを提供している。毎年のクリスマス・年末年始にテレビCMの新作が公開されていることからも、チェキが根強い人気を誇り、若者からも大きな支持を受けていることが理解できる。
富士フイルムは、現在では、写真・映画用フィルム・カメラの製造開発メーカーではなく、化粧品・健康食品・医薬品・医療機器の製造開発メーカーとしての知名度が高いのではないか。例えば、これまでに「ジェリー状先行美容液 アスタリフト」や「内視鏡AI診断支援技術」のテレビCMを目にして、「フィルム企業なのになぜ化粧品・医療器具?」と思ったことはないだろうか。
テキストp.33の図2.7で紹介されているスイッチのシンボルは、International Electrotechnical Commission(国際電気標準会議)によって以下の標準規格が制定されている。このような国際標準規格が厳密に定義されているから、ユーザーは、海外製の家電製品であっても、自国製の家電製品とまったく同様に、迷うことなく操作することができる。
上記の規格によれば、パワーオンは縦の一本線(算用数字の1ではない)、パワーオフは一本線で描いた円(算用数字の0ではない)である。また、スタンバイはパワーオンとパワーオフの組み合わせである(算用数字の1と0の組み合わせではない)。偶然にも、縦の一本線は算用数字の1と、一本線で描いた円は算用数字の0と、形が似ている。だから、図記号の意味に迷った場合には、1がパワーオン、0がパワーオフ、とみなしてもよいだろう(もちろん正解ではない)。
スマホ操作の熟達度が高いわりにはPC操作の熟達度が低過ぎる、というのが本学部の新入生の第一印象だ。自宅でPCが自由に使えるにもかかわらず、操作に慣れよう、タイピングの速度・精度を高めよう、トライアンドエラーでとにかくやってみよう...という意欲が大きくかけているように見える。自由に使えるスマホを手に入れた瞬間から、一刻も早く操作に慣れよう、タイピングの速度・精度を高めよう、トライアンドエラーでとにかくやってみよう...と意欲満々でスマホを使いまくったのではないか。たとえ寝不足になったり、誘惑に負けて勉強ができなくなったり、通信費用を無駄遣いすることがあったとしても...。この経験を生かせば、PC操作に熟達するなどたやすいことではないのか。
パソコンショップや家電量販店でごく一般的に販売されているパソコンには、テキストp.17にあるようなハードディスクドライブ(HDD)は搭載されていない。その代わりに、ソリッドステートドライブ(SSD)が搭載されている。HDDの内部では、データを記録する円盤「プラッター」が超高速回転している(1分間に5400回転とか7200回転とか)。だから、かつてのパソコンは動作音がちょっとうるさいと思える時があった。経年劣化でプラッターの回転が乱れ、異音が発生することもあった。一方で、SSDの内部には回転する部品は存在しないから、動作音はしない。とても静かだ。もちろん異音も一切発生しない。
HDDとSSDを比較すると、重量がまったく異なる。HDDの方がずっしりと重い。SSDは軽過ぎて心配になるくらいに、本当に軽い。最近の超高性能ノートパソコンは非常に軽量で、1kgを切るものも珍しくない。こんなに軽くて本当に大丈夫なのか、と思うくらいだ。もちろん携行が圧倒的に楽になったのはいうまでもない。
ほぼすべての女性は何らかのコスメグッズや化粧品を日常的に利用している。だから、女子学生にとっては今回のトピックは非常に身近なものだったはずだ。対照的に、男性にとってはコスメグッズや化粧品はやや縁遠いものだ、というのが実際のところだ。だから、今回のトピックは男性にはわかりにくい、女性とディスカッションしようにもそもそも発言のしようもない、という感想をもった男子学生がいたかもしれない。だとしても、わからないから教えてほしい、それはいったい何を意味しているのか、などと質問・発言すればそれでいいと思う。
前書きの冒頭p.xiには、著者カーニハンが大学院生だった1964年当時のスタンフォード大学のコンピューティング環境についての記載がある。価格数百万ドルの汎用コンピューター(メインフレーム、mainframeとも)IBM 7094が空調完備の大部屋に鎮座するという光景は、今日の大学生にはまったく想像がつかないものだろう。当時のコンピューティング環境を理解するために、映画『ドリーム』(監督:セオドア・メルフィ、公開:2016年、原題:Hidden Figures)をぜひ見てほしい。劇中ではIBM 7090がフィーチャーされている。7094は7090の派生機だから、外見はほぼ同じものだと考えてよい。
オンライン派 30%
オフライン派 70%