コンピュータ・リテラシー(cl5-2020、前期金曜5限)のページ

補講 今後の課題(2)

スマホ時代の英語学習

 国際関係学部の学生は、程度の差こそあれ、英語を勉強すること、英語のコミュニケーション能力を向上させることに関心があると思う。すでに独自の勉強法で、また、自分なりの関心に基づいて勉強を進めている人もいるかもしれない。その方法でどんどん勉強を進めてもらいたい。だが、勉強の方法がいまいちよくわからない人や、これまでに経験したことがない勉強の方法を試してみたい人がいるかもしれない。そのような人を対象に、この授業の受講者への最後のメッセージとして、英語を勉強する方法を提案しようと思う。もちろん単なる提案にすぎないので、この勉強方法を取り入れなけれならないわけではない。

 このウェブページを見ているあなたの手元にはスマホがあると思う。あなたはそのスマホを肌身離さず持ち歩き、時間があれば画面を覗いていると思う。特に目的がなくてもスマホの画面を見るということもあると思う。あなたの身体の一部とほぼ同化している「スマホ」を英語の勉強に利用しないのはもったいないと思う。スマホで英語のニュースサイトを見てみる、英語学習アプリをダウンロードしてスマホを単語帳のように利用する、というような勉強方法もあるだろう。このような多くの人が思いつく勉強法以上の、より大胆な勉強法を試してみてほしい。

 少しだけ勇気を出して、スマホのインターフェイス(画面の見た目)を英語に変更してみてほしい。日本語で表示されていた箇所がすべて英語に置き換わるので、見慣れた画面が大きく変わる。たったこれだけの操作で、あなたのスマホが英語圏の国々でごく一般的に利用されているスマホに生まれ変わる。言葉が置き換わるだけなので、ほとんどの操作はまったく問題なく進められるだろう。例えば、いつも利用しているウェブページの文章が英語に翻訳される、友人からのSNSのメッセージが英語で送られてくる、というようなことは起こらない。しかし、いくつかの操作には迷ったり戸惑ったりするだろう。そのような状況こそがスマホを利用した英語の勉強だ。あなたはベテランのスマホユーザーだから、慌てずゆっくりと頭の中で言葉を置き換えていけばほとんどの問題は解決できるはずだ。

 スマホのインターフェイスに使われている英語を学ぶことには大きな利点がある。目にするすべての英語が日常生活で使われるごく自然な英語だということだ。逆にいうと、日常生活で使われているごく自然な言葉遣いや表現がスマホのインターフェイスに取り入れられているということだ。これらの点で、スマホのインターフェイスからの英語学習は、ごく一般的な英語学習につきものの「あまり使われない言葉遣い」「不自然な表現」を学んでしまうようなことがない。インターフェイスそのものに確実な正解が表示されているので、正解を調べる必要もない。大胆に言えば、英語学習行為のすべてに一切の無駄がない。

 スマホだけではなく、パソコンのインターフェイスを英語に切り替えることも非常に簡単だ。インターフェイスを変更すれば、あなたのパソコンが生まれ変わる。言語や文化の違いに関係なく、我々の日常生活にはパソコン利用が欠かせなくなっている。パソコン利用に関連する言葉遣いや表現も日常生活に深く浸透している。少しだけ勇気を出して、パソコンのインターフェイスを英語に変更してみてほしい。これまでにないような「英語生活体験」があなたの日常生活に加わることになる。

 スマホやパソコンのインターフェイスは英語以外の言語にも切り替えられる。インターフェイスを第二外国語(国際関係学部では「地域言語」)で学んでいる言語に切り替えてみよう。これはかなりの勇気が必要になるかもしれない。だが、あなたはスマホやパソコンのベテランユーザーだから、パニックに陥ることはないだろう。もちろん言うまでもないが、英語以外の言語についても、日常生活で自然に使われている言葉遣いや表現をインターフェイスを通じて学ぶことができる。

 ここまでが、スマホやパソコンのインターフェイスを通じて英語を勉強するという提案だ。この提案は、6月の課題についての青山の解答でもある。スマホ時代の英語学習・英語教育についての今後のあなたの活動にほんの少しでも参考になればうれしく思う。

補講 今後の課題(1)

パソコンの利用者・管理者としての自立と自律

 この授業の受講者であるあなたは、単なるパソコンの利用者ではなく、あなたが所有するパソコンの管理者であることを第7回目授業で説明した。また、各種ソフトウェアをより最新の状態にし、安全かつ安定した実習環境を整備・運用することがパソコンの管理者にとって必須の知識とスキルであることを説明した。この授業は前期全15回で終了するので、受講者としてのあなたの役割はこれでいったん終了する。しかし、授業が終了しても、あなたがパソコンを所有し続ける限り、パソコンの管理者としての役割は続く。管理者としての義務と責任も続くことになる。第7回授業の内容をぜひ復習してほしい。

 すでに説明しているとおり、パソコン管理の基本はソフトウェアのバージョン管理と更新作業だ。特に、OSの更新はとても重要だ。大きく2つの理由がある。第一に、OSの更新は安心安全なパソコンの動作に直結するからだ。より新しいバージョンやビルトのOSには改良が加えられていて、より安定し堅牢なソフトウェアになっている。バージョンやビルトが古いOSを長期間にわたって利用し続けることは、既知のセキュリティ上の欠陥を抱え続けるという点で、非常に危険だ。WindowsならばWindowsUpdateを、macOSならソフトウェア・アップデートを実行することで、OSが常に最新の状態に更新される。マイクロソフト社はアメリカ時間の毎月第2週の火曜日(パッチ・チューズデー)にWindowsUpdateを通じて累積更新プログラムを公開する。このスケジュールに厳密に従う必要はないが、少なくとも月に一度はWindowsUpdateを実行すべきだ。macOSは定期更新スケジュールを定めていないので、あまり気にする必要はない。

 OSの更新が重要となる第二の理由は、OSの大型アップデートについてのメーカーの方針に利用者が追随する必要がある、というものだ。ここで言う大型アップデートとは、Windows10であれば、およそ半年に1回のペースで実施されている、バージョン番号が大きく変わるアップデート(メジャーアップデート)を意味する。例えば、2019年冬から2020年春にかけて販売されていた(大学入学祝いとしてあなたが購入してもらった)Windowsパソコンには、バージョン1903または1909のWindows10がインストールされていたはずだ。もしあなたがこれまでにWindowsUpdateを定期的に実行していたとすれば、1時間から数時間程度のアップデート作業の後に、OSがバージョン2004に更新されたことを記憶しているかもしれない。大型アップデートは実行を保留にすることができるので、現在でもバージョン1903または1909を利用し続けている人もいるかもしれない。参考までに、2020年秋には新バージョン20H2がリリースされることが決定している。

 Windowsの大型アップデートについては、非常にやっかいな問題がある。大型アップデートを保留し続けることは事実上不可能だということだ。古いバージョンのOSを利用し続けることをマイクロソフト社は推奨していないということだ。古いOSは新しいOSよりもセキュリティ上の問題をより多く抱えている、古いOSはあなたとパソコンに直ちに危機的な状況をもたらす、ということはない。しかし、古いOSを利用し続けることをマイクロソフト社が推奨していないということは、まぎれもない事実である。使い慣れているから、アップデート作業が面倒だ、というような理由で古いOSを利用し続けることはできないのだ。

 このことは、およそ1年ごとに更新されているmacOSについても当てはまる。古いOSを長期間にわたって利用し続けることはアップル社も推奨していない。2020年秋には、新しいOSのBig Sur(バージョン11.0)がリリースされることが決定している。Big Surへのアップデートは必ずしも必須ではないが、強く推奨されることが予想される。

 パソコンの単なる利用者であれば、上記のようなやっかいなことがらを考える必要はまったくない。しかし、すでに強調しているとおり、あなたはパソコンの単なる利用者ではなく、管理者でもあるのだ。オンライン・リモート授業のための実習環境の整備責任者の役割はいったん終わる。だがこれからは、あなたはあなた自身のために、よりよい作業環境を整えていく義務と責任があるのだ。授業を離れて、より自立・自律した利用者・管理者に成長していかなければならない。少し大げさに言うが、自立・自律は非常に困難かつ壮大な課題だ。

 例えはよくないが、自動車の所有・運転と比較してみる。車種を適切に理解していなければ、セルフ式のガソリンスタンドで給油ができないことになる。軽自動車に軽油を給油してしまう、ディーゼル車にガソリンを給油してしまう、というような致命的な間違いを起こしてしまうからだ。また、車体のどこに給油口があるのかを知っていれば、複数設置されている給油機から適切なものを選び、給油ポンプが快適に利用できるような適切な場所に停車することができるようになる。運転に慣れ、ガソリンスタンドの利用回数が増えれば、スムーズに短時間で給油できるようになり、ガソリンスタンドを利用することも苦痛でなくなる。雨の日に使うワイパーの拭き取り具合が悪いと思ったらゴムの汚れをティッシュペーパーで軽く拭き取る、雨の日に室内のガラスが曇ってしまっても拭き取らない方がよい、というような快適な運転のための知恵やコツは自動車学校では教えてもらえない(教えてもらっても忘れてしまう)。試行錯誤しながら身につけていき、自立・自律したドライバーになっていくのだ。自立・自律することを拒否するならば、自動車の運転はしない方がよい。

 パソコンも同様だ。パソコンの所有・利用には許可も免許も必要ないから、自動車の所有・運転よりハードルがずっと低い。試行錯誤を繰り返しても、交通事故に比較すれば、失うものは段違いに少ない。言うまでもなく、自立・自律のための第一の情報源は教科書だ。インターネット上に無尽蔵に公開されている情報もどんどん活用していきたい。パソコンを利用しながらスマホで情報検索するのもよいだろう。また、自分が知らないことは他人が知っている可能性があるから、家族や友人知人に尋ねてみるのはとてもよいことだ。もちろん、教員に尋ねてもよい。だが、単になんでもテキトーに尋ねるというのはダメだ。具体的でない散漫な質問をテキトーに書いた電子メールを教員に送りつけるなどもってのほかだ。

 入学祝いに購入してもらったパソコンは少なくとも4年間利用することになるはずだ。これからあと3年半、少しずつ精進していこう。

第15回 コンピューター、情報教育を学ぶということ

インターネット・スマホ時代の国際関係学部学生として

 7月の課題では、インターネット・スマホ時代の社会問題を理解することを目的に、英語で書かれた迷惑メールを読み解くことに挑戦してみた。題材として取り上げたのは、主に男性インターネット利用者を対象とした「セクストーション」(sextortion、性的脅迫・詐欺行為)のジャンクメール(junk mail、迷惑メール)だ。この授業の受講生はすべて女性なのだが、「自分は女性だからこのような脅迫・詐欺の被害に遭うことはない」「大学の授業だからとはいえ、このような不快な内容を扱う英文を教材とするのは不適切だ」などと思った人もいるかもしれない。少しだけ考え直してもらいたい。

 セクストーションは男性だけではなく女性をターゲットにしたものもある。パソコンでインターネットを使いこなす人だけが被害にあうのでもない。ショートメッセージやチャットサービスを通じてカジュアルな人間関係をスマートフォンで楽しんでいる若者も被害者になりうる。親密な関係にある友人知人からのセクストーションは特に大きな社会問題になっている。プライバシーを撮影した写真をネット上にばら撒くなどと元カレが元カノを恐喝するストーキング行為、「リベンジポルノ」という言葉を一度は聞いたことがあるだろう。テレビ会議サービスを通じたオンライン飲み会の様子が女性ファンによって暴露されたお笑い芸人がテレビ番組出演自粛に追い込まれた、というゴシップ記事を覚えている人もいるかもしれない。セクストーションは非常に身近な社会問題のひとつで、笑い事ですませられることでもなければ、単に不快だという理由で取り上げることを避けるようなトピックでもない。

 セクストーションに限らず、インターネットやパソコンをめぐる社会問題は全世界共通の課題だ。7月課題のジャンクメールに戻るが、このメールは日本語のネイティブスピーカーである青山に送信されたものである。もちろん青山は、英語のネイティブスピーカーではないが、英語を勉強しているので、受け取ったジャンクメールの内容をほぼ完璧に理解できる。だが、日常生活でも大学の業務でも英語を第一言語として使用しているわけではないので、詐欺や恐喝を英語で受けるということはほとんど想定していない。だから、英語で書かれた詐欺・恐喝メールは青山にとっては効力がほぼゼロで、青山は被害を受ける可能性がほぼゼロだ。だが実際に、このような詐欺・恐喝メールが青山宛に送信されている。青山は単に静岡でインターネットを利用しているに過ぎないのだが、青山自身の意図には関係なく、全世界的なインターネットの世界に自動的かつ強制的に組み込まれている。このことを通じて、全世界に共通なインターネットの社会問題にも直面することを強いられている。程度の差はあれ、インターネットユーザーは誰しもが全世界的なインターネットの社会問題を共有する。もちろん、あなたもそのひとりである。解決が難しい問題や不快な内容の課題から目を背けることなく、インターネット利用の現実を理解してほしい。

 7月課題は英文メール2通の概要を理解するという課題でもあった。現在では、自動翻訳サイトを利用することで、外国語で書かれた文書の内容を簡単に理解することができるようになった。受講生の中には、英文メールをコピペして自動翻訳した人がいるかもしれない。自動翻訳サイトを利用すること自体はきわめてインターネット・スマホ時代の行為なので、まったく問題はない。しかし、国際関係学部の学生ならば、現在の自動翻訳サイトには限界があり、文脈に応じた自然な翻訳文を作成してくれるとは限らない、ということを知っておくべきだ。言い換えると、単に翻訳をするだけであれば、単なる英語学習者であるあなたよりも自動翻訳サイトの方が優秀だ。だから、単なる英文翻訳のような課題に取り組むことはあなたにとっては時間の無駄だ。

 国際関係学部の学生にはある特別な社会的期待が寄せられると思う。もしあなたがこの学部で英語の能力を伸ばしたいと思っているなら、なおさら重要な問題だ。英語の文書を見たら内容を即座に理解する、関連する情報をスラスラと話してくれる、国際事情や世界的な社会問題についての知識を教えてくれる、そういうことが国際関係学部の学生には期待されると思う。あなたはそのような学生になることを期待して、この学部に入学したのではないかと思う。国際関係学部で学ぶとそのような学生になることができると期待しているのではないかと思う。扱う話題や領域は限定されたが、教員である私からはこれまでに多くのトピックを提供したので、これからはあなた自身の興味や関心に応じて、さまざまに独自の研究や英語の勉強を進めていってほしい。自分自身への期待を裏切らないという意味でも、ますます精進していってもらいたい。

第14回 パソコンの標準環境の変更(2)

より快適な作業環境の構築(2)

 以前にも説明しているが、あなたは単なるパソコンの利用者ではなく、パソコンの管理者でもある。管理者でもあるあなたには「入学祝いに買ってもらったWindowsパソコンを使っている」という程度の知識やスキルでは不十分である。単なる利用者から脱して、実際に役立つ知識とスキルを身につけるために、さまざまな経験と試行錯誤を積み重ねていってほしい。授業時間外での自己研鑽の意味をこめて、パソコン利用環境の整備について考えてほしい。

 快適さや使いやすさは主観的で個人的なものであるので、他人とまったく同じように利用環境を整備する必要はない。ある人にとって使いやすい環境が別の人にもまったく同じように使いやすい環境だとは限らない。ここでは利用環境整備の例を青山の経験をもとに紹介しているが、もちろん青山の例を無批判に受け入れる必要もない。あなたの部屋をあなた独自のやり方で飾り付けたり整理整頓したりするのとまったく同様に、あなたのパソコンをあなた独自のやり方で、快適さと使い勝手を追求して、どんどんカスタマイズしてほしい。とても幸運なことに、カスタマイズにかかる費用は無料だ。

日本語変換ユーザー辞書のカスタマイズ

 この文章を書いている私の名前は「青山知靖」だ。どこかで見聞きしたことのある珍しくない姓であるためか、「青山」は間違いなく変換できる。一方、どこかで見聞きしたことがあるかもしれないが、漢字の組み合わせとしては珍しい「知靖」は、一度で変換できないことがほとんどだ。「ちしき-->知識」と入力・変換して「識」を削除し、続いて「やすくに-->靖国」と入力・変換して「国」を削除すれば、確実に「知靖」を入力できる。ただ、自分の名前を入力しようとするたびにこのような煩雑な作業をするのは馬鹿げている。自分の名前くらい一度でスッキリと入力・変換できるようにしたい。少なくとも自分のパソコンでは、自分の入力したい言葉を気持ちよく入力・変換できるようにしたいものだ。

 このような場合、日本語入力システムの精度を高めるために「ユーザー辞書」を編集すればよい。Windowsでは「Microsoft IME」(MS-IME)、Macでは「日本語」(「ことえり」の後継)が標準の日本語入力システムだが、いずれもユーザー辞書を簡単に編集できる。Windowsでは画面右下、タスクバーに表示されている「あ」または「A」を右クリックして「単語の登録」を、Macでは画面左上、メニューバーに表示されている「あ」または「A」をクリックして「ユーザ辞書を編集」を選択して、ユーザー辞書を編集する。読みがな(入力する文字)と単語(変換後の文字)を入力するだけだ。人名だけでなく地名や組織・団体名、新しい言葉や若者言葉、略語や専門用語、外国語の地名や人名など固有名詞を登録してもよいだろう。

 日常生活で、辞書や単語帳を使って新しい言葉を覚えていくと、単に語彙が増えるだけではなく、気の利いた文章を書いたり、バラエティに富んだ会話を交わすことができるようになっていく。同様に、日本語入力システムのユーザー辞書をカスタマイズすればするほど、あなたのパソコンが自分にふさわしい環境にどんどん変化していく。ユーザー辞書のカスタマイズはパソコンで言葉を巧みに操る能力を向上させることに直結する。ユーザー辞書をバックアップ、リストアすることも簡単だ。あなたの頭脳を鍛えるのと同時に、ぜひユーザー辞書も鍛えてほしい。

ディスプレイの明るさ・色合い

 スマートフォンの使い過ぎが眼精疲労や睡眠障害を引き起こすと言われることがある。スマートフォンを長時間使うと目が異常に疲れる、寝る前にスマートフォンで遊んでしまったために寝付くことができなくなった、という経験をしたことがある人は多いと思う。スマートフォンの画面が明るすぎることが原因の一つだ。眼精疲労や睡眠障害を防ぐために、青白い光を抑えて画面全体をやや暗くし、赤みがかかった温かみのある色合いになるように、表示設定を変更している人もいるのではないだろうか。スマートフォンの液晶画面の明るさを暗めに調整するだけでも、眼精疲労の軽減にとても役立つ。画面を温かみのある色合いに変える機能は、iPhoneでは「Night Shift」と呼ばれている。Androidスマホでは「ナイトモード」で「ティントを調整」を使用する。

 パソコンでもまったく同様に画面表示を変更できる。Macではシステム環境設定-->ディスプレイで「Night Shift」が利用できる。Windowsではスタートボタン-->設定-->ディスプレイで「夜間モード」が利用できる。この機能を利用すれば、パソコンの画面全体を赤みがかかった温かみのある色合いに変更できる。眼精疲労や睡眠障害に悩んでいる人はこの機能をぜひ試してみてもらいたい。

 また、この授業の受講生には何度か説明したが、青山はパソコンの画面表示がなるべく暗くなるように設定している。例えば、電子メールでは、白い背景に黒い文字を表示させることが一般的だが、青山は黒い背景に白い文字を表示させるように設定を変更している。黒い背景に白い文字を表示させる方が目にやさしいような気がするからだ。日々の体調によって色の感じ方が異なるのでとても厄介なのだが、黒い背景に白い文字の方が何か落ち着くような気がしている。一般的な白い背景に黒い文字だと、画面全体に占める白色の面積が大き過ぎて、目が疲れるような気がするのだ。

 黒い背景に白い文字を表示させる設定は「ダークモード」と呼ばれる。Windowsではスタートボタン-->設定-->個人用設定-->色-->色を選択するで、画面全体の色合いを大きく変更できる。Macではシステム環境設定-->一般で「外観モード」を変更できる。画面全体の色合いをさらに大きく変更することもできる。Windowsでは「ハイコントラスト」機能、Macでは「アクセシビリティ」機能を調整する。

 すべてのユーザーにとってダークモードがふさわしいかどうかはわからない。また、ハイコントラスト機能やアクセシビリティ機能を多用すると、一般的なカラー表示ができなくなるという点で、大きな不都合が生じることになるかもしれない。ただし、これらの機能を必要としているユーザーが確実に存在するということは知っておくべきだ。具体的には、色覚障害や光覚障害を持つユーザーの存在を理解しておくべきだ。ある特定の色を認識することが難しい人や強く明るい光を長く見続けることができない人がいることを想像してほしい。そのような視覚障害を持っている人にとっては、パソコンの画面の色合いを変更することで、快適な作業環境を構築することができるようになる。その手助けをするために、少しだけ知識とスキルを身につけてほしい。

フォントサイズ・画面表示領域の拡大

 パソコンのフォントのサイズを変更することができるのはよく知られているので、この授業の受講生には説明が不要だろう。例えば、Wordでレポートを作成する場合、初期設定値の10.5ポイントだと小さすぎるので変更しよう、14ポイントだと大き過ぎるので12ポイントではどうだろうか、などと変更したことがあるだろう。余白の大きさと1ページあたりの行数と文字数を調整して、より美しく読みやすいレポートを作成することは、パソコン実習の基本中の基本だ。では、フォントサイズを変更するのは文書作成だけに限られるのだろうか。

 ウェブブラウザーでもフォントサイズを変更できる。ウェブページを見る時に文字が小さくて見づらい、目が疲れてしまうなどと思っている人は、フォントサイズを大きくするとよい。Windows10標準のEdgeでは画面右上の「設定など」ボタン-->設定-->外観でブラウザーでの情報表示に関するさまざまな項目が変更できる。「フォントサイズ」では、サイズを「非常に小さい」から「非常に大きい」まで5段階で簡易調整できる。ここを変更するだけでも、フォントサイズの違いがウェブページの読みやすさに大きく影響を与えることを実感できるだろう。すぐ下の箇所「フォントのカスタマイズ」でフォントサイズをより大きく・小さく変更できる。一方、Mac標準のSafariではフォントサイズを細かく調整できない。Safari-->環境設定-->詳細の「アクセシビリティ」でフォントの最小サイズを指定することしかできない。しかし、文字が小さ過ぎてよく見えないという不具合を確実に解消できるので、とても便利な機能だ。

 だが、WindowsでもMacでも、フォントサイズを変更するとウェブブラウザーの表示が大きく乱れることがある。ウェブページが指定する特定のレイアウトの範囲内にテキスト情報が収まらなくなったりするためだ。この理由で、ウェブブラウザーのフォントサイズを変更することは必ずしも万能ではない。そこで、もうひとつの機能の画面表示領域の拡大を覚えておくのがよい。WindowsではCtrlキーを押しながらプラス(+)キーを押すと、ほとんどのブラウザーで画面が拡大表示される。2回繰り返せば2段階拡大表示される(ズームインする)。この逆で、Ctrlキーを押しながらマイナス(ー)キーを押すと、画面が縮小表示される(ズームアウトする)。Ctrlキーを押しながら0(ゼロ)を押すと、拡大縮小が解除され、画面が元の大きさに戻る。Macでは、Ctrlキーの代わりにコマンドキー(アップルキー)を使用して、画面の拡大縮小機能を実行する。拡大縮小はメニューからも実行できるが、キーボードショートカットを利用する方が圧倒的に便利だ。

 ウェブブラウザーの表示画面の拡大縮小は非常に便利だ。表示画面を拡大すれば、ウェブページ内の画像の細かい部分を確認することができる。また、漢字の画数を確認する時にも画面拡大が役に立つ。この逆に、表示画面を縮小すると、大きなウェブページの全体像を視覚的に把握することができる。キーボードショートカットを利用して拡大縮小を一瞬で解除できるのも非常に便利だ。スマートフォンでのピンチイン・ピンチアウト(二本指で画面を広げたり縮めたりする)とまったく同様の機能がウェブブラウザーに実装されていることをぜひ覚えておいてほしい。

第14回 パソコンの標準環境の変更(1)

より快適な作業環境の構築(1)

 ひとり暮らしを始めるために手頃なアパートをあなたが借りるとする。ふらっと立ち寄った不動産屋が運良く超有料物件を紹介してくれた。駅から徒歩5分、目の前にコンビニがある、これ以上ない立地条件だ。自炊はしないから近所にスーパーがなくてもOK、駅前にいろいろ店があるから外食の選択肢も豊富だ。それから、まだ若いからあまり病気しないだろうから、近所に病院がなくてもOK。なによりも、駅から近くてコンビニにすぐに行けるのがうれしい。スマホさえあればなんでもできるので、これからのひとり暮らしはバラ色だ...というような新生活を4月から始めた人もいるかもしれない。だが、超有料物件を借りただけでは快適な生活は始められない。まず、外から覗かれないようにカーテンを買う。家具と家電を取り揃える。トイレの掃除道具、収納便利グッズ、洗濯用洗剤、少しだけ食器...ありとあらゆるものを買わなければならない。ありとあらゆるものを買い揃えていくと、ただの建築物があなた独自の快適な生活空間に生まれ変わっていく。スマホ充電のために少し長めの延長コードも絶対に欲しくなるだろう。

 パソコンもまったく同じだ。いまあなたが使っているパソコンは10万円以上していると思うが、なかなかの有料物件だ。有料物件は所有することそれだけで価値がある。MS Officeというキラーアプリケーションがインストールされていればなおさらだ。ただ、それは単なるモノに過ぎない。もしあなたが単にモノを使っているに過ぎないとすれば、なんと悲しいことだろうか。超優良物件を快適な生活空間に作り上げていくのと同様に、あなたの目の前にあるパソコンをあなた独自の快適なコンピューティングデバイスに作り替えていく、調べ物やレポート作成を気持ちよく進められる自分の部屋をパソコンの中に作り上げていったらどうだろうか。このような発想をまったくしたことがないならば、これを機会に少しずつ工夫していってもらいたい。

ファイル表示方法の変更

 パソコンを起動して表示されるデスクトップにたくさんのファイルを並べている人は多いと思う。ファイルの保存場所を決めるのが面倒だからという理由ではないだろうか。青山も非常に多くのファイルをデスクトップに保存している。だから、デスクトップがいつもごちゃごちゃして、仕事の成果の整理整頓ができていないことがすぐにバレてしまう。

 デスクトップではファイルのアイコンが大きく表示される。Wordファイルであればアルファベットの「W」、Excelファイルであれば「X」、PowerPointファイルであれば「P」を目印に、ファイルに保存されている内容とこれから行おうとする作業をリンクさせて、迷うことなく目的のファイルを開くことができる。しかし、保存しているファイルが多くなればなるほど、目印になるアイコンがたくさんあり過ぎて、目的のファイルを探し出す、迷いなく開くことが難しくなる。この意味で、デスクトップにファイルを保存することは快適なパソコン利用の妨げとなりうる。「ドキュメント」「書類」フォルダにファイルを保存するようにしたい。ファイルの整理整頓のために、デスクトップにフォルダを作成して、その中にファイルを保存してもよいだろう。

 もちろん、フォルダに保存されるファイルが多くなればなるほど、フォルダの中に表示されるアイコンも多くなるので、目的のファイルを探し出すことが難しくなる。しかし、フォルダはファイルの表示方法を大きく変えることができるので、自分好みの整理整頓ができるようになる。一覧表示にしたファイルをファイル名順や作成日時順に並び替える、デスクトップと同様にアイコンを大きく目立たせる、ファイルを開かなくても作業内容の概要を把握できるようにプレビューを表示させる...という具合である。Windowsであれば、フォルダの上部に表示される「表示」でさまざまな設定を変更できる。Macでも同様に、画面最上部の「表示」メニューを利用して、ファイルの表示を大きく変更できる。

 青山は、ファイル一覧をファイル名順でリスト表示させ、ファイルサイズと作成日時などの情報を付記するように、ファイル表示設定を変更していることが多い。

ファイル拡張子の表示

 ファイル拡張子とは、ファイル名の末尾に付記される「.doc」「.xlsx」「.jpg」「.html」などのテキスト情報のことだ。これを見ると、ファイルを作成したアプリケーションやファイルの内容の概要が把握できる。かつては、拡張子を理解すること、ファイル名に必ず拡張子を含めること、拡張子を削除してはならないことがパソコンユーザーにとって必須の知識・スキルであった。しかし、WindowsでもMacでも、現在は拡張子を表示しないのが標準的な設定である。したがって、ユーザーも拡張子についての知識を身につける必要がない。

 しかし、さまざまな種類のファイルをインターネットを通じてやり取りする、異なるOS・デバイスの間でデータを共有することが実際には多い。この場合に、拡張子についての最低限の知識・スキルが必要になる。拡張子はOSとアプリケーションが自動的に付記する(ユーザーが拡張子を追記する必要はない)、ファイル名に拡張子が付記されていないファイルを開くことができない場合が多い(特にWindowsユーザーに不具合が生じる)、ということは知っておく必要がある。

 青山は、WindowsでもMacでも、常に拡張子を表示させている。Windowsの場合、フォルダの上部に表示される「表示」で拡張子の表示を簡単に切り替えられる。Macではデスクトップが表示された状態から、Finderメニュー-->環境設定-->詳細で、拡張子表示の設定を変更できる。Macのソフトウェアには、ファイル保存時に拡張子を自動追加する機能があることが多い。追加してもしなくてもMacの使い勝手にはなんら影響はない。しかし、Windowsユーザーとのファイル共有のために、拡張子を自動追加しておくのが無難だ。

マウスの移動速度

 この授業の受講生は、キーボードの手前にトラックパッドが配置されているノートパソコンを利用しているはずだ。経験的に言って、トラックパッドの使い勝手は、パソコンのメーカーや機種によって大きく異なる。このことは、異なるメーカーや機種のパソコンを使い比べるとすぐに理解できる。トラックパッドが敏感すぎたり鈍感すぎたりして、思い通りにポインターやカーソルが移動できないことがある。トラックパッドよりも外付けマウスの方が思い通りにポインターやカーソルを操作できるが、これも完璧ではない。思い切って、トラックパッドやマウスの設定を変更するのがよいだろう。

 今後ますますパソコンの画面は大きくなっていく。すると、画面の中でマウスを移動させる距離もますます増えていく。しかし、ノートパソコン本体の大きさはあまり変化しないので、トラックパッドの物理的な面積もほとんど変化しないだろう(少なくとも大きくなることはないだろう)。外付けマウスを使う場合にも、マウスを操作するためのスペースが広大になるとは限らない(そもそも、マウス操作には広大なスペースは不要である)。この観点から、トラックパッドやマウスを少しだけ操作してポインターやカーソルを大きく移動させることが重要になってくる。このためには、移動速度をより高速にすればよい。ただし、移動速度を高速にすればするほど、ポインターやカーソルの軌跡を追うことが難しくなる。さまざまに設定を変更して、快適な速度を見出してほしい。Windowsではスタートメニュー-->設定-->デバイス-->マウスで、Macではシステム環境設定-->マウスで、さまざまな設定項目を調整できる。

 あわせて、スクロールの速さも調整しておくとよいだろう。スクロールの速さも、高速にすればするほど画面を上下に大きく移動させることができるようになる。例えば、非常に長いウェブページの内部の目的の箇所をより早く探し出すことができるようになる。しかし、高速にすればするほど、意図に反して移動量が増えてしまう可能性も高まる。さまざまに設定を変更して、快適な速度を見出してほしい。

7月の課題(7月1日水曜日20時15分公開)

 以下のファイルの指示にしたがって課題を提出すること。

第13回 配色の工夫

カラフルにすればよいとは限らない

 小池百合子東京都知事は7月15日の緊急記者会見で、新型コロナウイルス感染状況を4段階の中で最も深刻なレベルにあるとし、「感染拡大警報」を発表した。赤とオレンジに彩られた各種の書類を手にして感染状況を説明する小池知事の姿をテレビのニュース番組やインターネットのニュースサイトで見た人も多いのではないか。

 東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」によれば、赤色は4段階の中で最も深刻なレベルを表す色だ。感染状況であれば「感染が拡大していると思われる」、医療体制については「体制が逼迫していると思われる」という状況を意味している。オレンジ色は1つ下の段階を表し、「感染が拡大しつつあると思われる」「医療体制強化が必要であると思われる」という状況を意味している。深刻度がオレンジ色から赤色へ1段階悪化したことを端的に表すために、小池知事が手にしていた書類は、下段がオレンジ色に、上段が赤色に塗り分けられていたものがいくつか見られた。赤色とオレンジ色のちょうど境界線上に「感染拡大警報」と大きく白い文字で書かれたパネルのことを覚えている人も多いのではないか。

 記者会見を見て、「色」に違和感を抱いた人がいなかっただろうか。記者会見の様子を報道する映像を確認すると、小池知事は確かに、パネルの上段は赤色で下段はオレンジ色だと説明している(記者会見映像の15秒から33秒にかけて)。しかし、パネルのオレンジ色は、一般的に思い浮かべるオレンジ色ではないようにも思える。実際に、多くの人にとって、薄くて淡いオレンジ色に見えるのではないか。オレンジ色ではなく黄色に見えた人もいたと思う。

 加えて、白い文字が読みにくいと思った人がいなかっただろうか。「感染拡大警報」とゆっくり読み上げる知事の様子を撮影した写真や動画は、撮影の角度、報道陣のフラッシュの影響、写真の撮影者、その他のさまざまな違いによって、まったく同じ瞬間を映し出しているにもかかわらず、オレンジ色の色合いが違っているように見える。この影響を受けて、パネル中央に書かれている文字が強く光って膨張していたり、文字の輪郭がぼやけているように見えている写真や動画がある。明るいオレンジ色と明るい白色があいまって、目がチカチカしたように感じた人もいるのではないか。

 小池知事が手にしていたパネルは、PowerPointスライドをカラー印刷したものだと思われる。スライドいっぱいに2行1列の大きな表を書き、上段のセルを赤色、下段のセルをオレンジ色で塗り潰し、太めのゴシック体で書いた文字を表の中心に配置する、という具合にスライドを作成したのではないか(逆にいうと、その程度の知識とスキルで記者会見の資料を作成することができる)。明るい背景に明るい文字を重ねると目がチカチカする、文字が読みにくく識別しにくい、ということを都庁職員は考慮しなかったのか。さらに付け加えるならば、パソコンの画面と印刷物の仕上がりはまったく同じではない。カラープリンターを日常的に利用できる職場であれば、このことは経験的にも明らかなのだが、このことも都庁職員は考慮しなかったのか。実際に印刷したスライドが本当に見やすいものかどうか、試行錯誤を行わなかったのか。このような余計なことを考えながら、青山は記者会見を見ていた。

 以下は青山が試作した感染拡大警報PowerPointスライドである。さまざまに配色やデザインを変更しているので、暇つぶしをかねて見てほしい。まったく同じデザインでも配色を変えると印象が大きく変わること、白色の文字に縁取りを加えるだけで視認性が大きく変わること、そもそも視認性・可読性の低い白色の文字を使わなくても注意喚起を強く促すパネルを作ることができそうだということ、その他にもさまざまなことをぜひ考えてほしい。

追記

 東京都の公式動画チャンネル「東京動画」で、7月15日の緊急記者会見と翌16日に公開された「東京都新型コロナウイルス感染症最新情報 ~モニタリングレポート~ <アーカイブ版>」を視聴することができる。「感染拡大警報」のパネルは上記の2つの動画でも見ることができるのだが、オレンジ色の色合いが特に悪いように思われる箇所がある。パネル製作者の意図に反していると思われるので、非常に残念かつ不幸なことだ。15日の記者会見は9分20秒から約30秒、翌16日のモニタリングレポートは8分20秒から5秒程度、映像をぜひ確認してほしい。

追記(2020年7月27日17時10分)

 東京都の公式動画チャンネル「東京動画」で、「令和2年7月22日 新型コロナウイルス感染症最新情報 ~モニタリング レポート~(特別版 記者会見)<アーカイブ版>」を視聴することができる。再生前のサムネイル画像を見てわかるとおり、「感染拡大警報」のパネルが修正された。白い文字が黒で縁取りされ、格段に読みやすくなった。2分35秒から20秒程度、記者会見の実際の様子をぜひ確認してほしい。11分ちょうどから20秒程度提示される、まったく同じ色使いの「ガイドラインを守らないお店は避けて」のパネルについても、同様の観点でぜひ確認してほしい。

 文字を縁取りすることで、もちろんデメリットも生じている。「警」の字の「言」の縁・隙間が黒く塗りつぶされたように見えるため、ごちゃごちゃして美しくない、と感じる人がいるかもしれない。だが、もともとのパネルに比べて視認性と可読性が向上したのだとすれば、縁取りによって生じたデメリットは妥協できるもので、デメリットを上回るメリットがあったと判断してよいはずだ。縁取りの色・太さ、フォントの種類・サイズをさまざまに組み合わせれば、よりよいパネルが制作できる可能性がある。この授業の受講生はぜひ取り組んでみてもらいたい。

第12回 自主トレ、個人練習

 第12回目授業は開講しない。出欠情報もカウントしない。各自で自主トレ、個人練習、リハビリを行うこと。ただし、授業時間帯にはタイピング技能測定を行うことはできない。もちろん、特別なことを何もしなくてもよく、休息やリラクゼーションにあててもよい。

キーボードショートカットコンテスト2020

 自主トレと言われても何をやっていいかわからない受講生のために、当日は「キーボードショートカットコンテスト2020」を開催する。以下を参考に、「キーボードショートカットを駆使したおしゃれでセクシーなパソコン操作」を考え、コンテストに応募すること。

 応募作品は、キーボードショートカットの単なる紹介ではなく、「ある目的を達成するためのパソコン操作の一連の流れ」「両手をホームポジションからなるべく動かさない、効率のよいパソコン操作」「マウスやトラックパッドを使わなくても業務を進められるようなパソコン操作」を紹介するものでなければならない。例えば、以下のような状況・場面があげられる。

  1. パソコンを起動して、ウェブブラウザーで情報検索を行い、上から3番目の検索結果を表示する。
  2. ウェブページに掲載されているPDFファイルを「ダウンロード」フォルダーに保存し、内容を確認した後、ゴミ箱に入れて削除する。
  3. 電子メールの添付ファイルとして受け取ったWordファイルをPDFファイルに変換し、USBメモリに保存する。
  4. Wordドキュメントを3部印刷して、パソコンを終了する。

 すべての応募作品はコンテスト参加者全員で講評する。応募作品の中から「キーボードショートカット・オブ・ザ・セメスター」(前期最優秀キーボードショートカット、KSS: Keyboard Shortcut of the Semester)を選定する。

 なお、コンテストへの参加の有無と作品応募の有無は、授業の成績評価とはいっさい関係ない。

第12回 ZIPファイルの取り扱い(2)

解凍後のファイル名の文字化けを防ぐ

 WindowsでもmacOSでも、特別な操作をすることなく、ZIPファイルを扱うことができることはすでに説明したとおりだ。しかし、WindowsとmacOSとの間でZIPファイルを共有すると、ファイル名が文字化けすることがある。具体的には、macOSで作成したZIPファイルをWindowsで解凍するとファイル名が文字化けすることがある。WindowsとmacOSの標準機能では、この文字化けを防ぐことができない。参考資料を見るために授業時間中に青山から受け取ったZIPファイルを解凍してみて、受講生の何人かはとても驚き困惑したと想像している(しかも、青山はなんの説明もしなかった)。以下では、上記のような文字化けを防ぐ2つの方法を紹介する。

文字化けしないファイル名の工夫

 第1の方法は、圧縮・アーカイブ化しようとするオリジナルファイルのファイル名を半角英数字で記載しておくことだ。一般的に、パソコンに限らず携帯電話やスマートフォンなどを含む情報通信機器では、半角英数字(アルファベットと数字)はユニバーサルな情報として扱われ、異なる機器でもソフトウェアでも100%意図どおりに表記・表示できる。つまり、半角英数字は完全に互換性のある、いわば共通言語のようなものだ。したがって、ZIPファイルを作成する場合にも、あらかじめファイル名を半角英数字で記載しておけば、どのような条件であっても、解凍時に絶対に文字化けしない。ただし、ファイル名を日本語(または韓国語や中国語などの他の言語)で記載することができないという大きな不都合を抱えることになる。たとえ英語が堪能であっても、適切かつ的確な英語でファイル名を記載することは難しい。また、ファイル共有の相手が英語に精通しているとも限らない。ファイル名の日本語をローマ字で表記するのも、率直に言えば、面倒くさい作業だ。ごく一般的な日本人には非常に厄介な問題だ。

より高機能なソフトウェアの利用

 第2の方法は、文字化けを回避するための圧縮・解凍ソフトウェアを利用することだ。WindowsでもmacOSでも、標準機能にない機能を追加するためのさまざまなソフトウェアが開発されている。その多くがインターネットで公開されていて、無償で入手・利用できるものも多い。すでに説明しているとおり、WindowsでもmacOSでも、ZIPファイルを単に扱うのは標準機能だけで十分である。しかし、標準機能を置き換えるソフトウェアを利用することで、ファイル名の文字化けについての不都合や厄介ごとを簡単に回避できる。

 次に考えなければならないのは、どのように問題を回避するのか、どのようなソフトウェアを利用するのか、ということだ。パソコンのOSのシェアは、圧倒的にWindowsが大多数で、macOSはごく少数派である。ファイル共有の相手も、Windowsユーザーが多数派で、Macユーザーは少数派に過ぎない。残念ながら、パソコン利用に関しては、無用なトラブルや不必要なイザコザを避けるべく、多数派のために努力をする必要があるのは少数派だ、というのが私の立場だ。付け加えるならば、トラブルやイザコザを避けるための知恵を持つ必要があるのは多数派ではなく少数派だ。言い換えると、オンライン・リモート業務の成否の鍵を握るのは、知恵のある少数派なのだ。この観点で、Macユーザーは崇高なプライドを持って、ぜひ知恵を身につけてもらいたい。

 ZIPファイルを扱うMacユーザーが利用すべきソフトウェアは、2009年から開発されている歴史あるソフトウェア「Keka」(https://www.keka.io/)だ。公式ウェブサイトで配布されているソフトウェアは無償で利用することができる。もしKekaを気に入ったら作者に寄付金を送ることを検討してほしい(もちろん、無償で利用し続けてもなんの問題もない)。

 Kekaは、ZIP形式だけではなく、多くの圧縮・アーカイブ形式のファイルを扱うことができるソフトウェアだ。インターフェイスがシンプルなので、とても簡単にKekaを利用することができる。Kekaで圧縮・アーカイブを行う際に、特別な操作はまったく必要ない。Kekaを起動し、表示されたウィンドウにファイルをドラッグアンドドロップするだけだ。圧縮・アーカイブを標準機能ではなくKekaで行うだけで、Windowsパソコンでの文字化けが自動的に回避されるファイルが作成される。文字化け以外の無用な混乱を避けるために、「Macのリソースフォークを含めない」にチェックを入れておくことが望ましい(詳細な説明は省略する)。

 では、Windowsユーザーは何もしなくてもよいのだろうか。もちろん、トラブルやイザコザを避けるための知恵を身につけるべきだし、身につけてほしい。Kekaと同様のソフトウェアでWindowsユーザーが利用できるのは「7-zip」(https://www.7-zip.org/)だ。

すべてのパソコンユーザーが身につけるべきこと

 オンライン・リモート業務にはさまざまなトラブルがつきものだ。トラブルに適切に対応するには知恵と経験が必要だ。すべてのトラブルに完璧に対応することは不可能だが、知識とスキルを少しずつ身につけていけばそれで十分だ。トラブル対応のためにインターネットを検索しても、いったい何が書かれているのか、最初はさっぱりわからないことが多いだろう。だが、授業を通じて経験したことや教員の話を聞いて身につけた耳学問を頭の片隅に置いておき、いつの日かふと思い出して、インターネットを検索してもらいたい。少し時間をおいてものごとを観察してみると、意外とすんなり理解できるものだ。このことこそ、OSの違いに関係なく、すべてのパソコンユーザーが共通して身につける必要がある。

第12回 ZIPファイルの取り扱い(1)

圧縮と解凍、アーカイブ化

 WindowsでもmacOSでも、特別な操作をすることなく、標準機能を使ってZIP形式の圧縮ファイルを作成することができる。Windowsでは、ファイルを右クリックして圧縮フォルダーに「送る」と(macOSでは、ファイルを右クリックして「圧縮」すると)、アイコンにファスナー(ジッパー、zipper)が描かれたファイルが作成される。この逆で、圧縮されているファイルをダブルクリックすると、圧縮する前のオリジナルファイルを取り出すことができる(一般に、ファイルを「解凍」「展開」「伸長」すると言われる)。

 ファイル圧縮は本来、高速な通信回線が利用できなくてもより短時間でファイルを送受信することや、大容量のディスクを使うことができなくてもより多くのファイルを保存することを想定している。ファイルサイズが小さくなれば、そのファイルを移動させるための労力が少なくて済み、そのファイルを保存するために必要な場所も小さくて済む。書籍に例えるならば、同じ小説の単行本と文庫本を比較すると、小さくて軽い文庫本の方がより手軽に持ち運ぶことができる。本棚のスペースにもゆとりが生まれるので、別の単行本や文庫本を置くことができるようになる。圧縮ファイルと文庫本が大きく異なるのは、文庫本を開いても単行本に変化することは絶対にあり得ない、ということだ。

 現在では、パソコンの内蔵ディスクはより大容量になり、インターネット回線もより多くのデータをより高速に伝送できるようになっている。USBメモリやハードディスク、SSDなど、ファイル保存のためのメディアもより大容量になっている。これらの理由のため、ファイル圧縮は必ずしも必要ではないと言うことができる。もちろん、ファイルを圧縮すればファイルサイズが小さくなるので、ファイルの送受信や保存・取り出しがより効率的になることは間違いない。しかし、その恩恵は実感できるほど大きなものではなく、実感できる状況や場面に遭遇することもほとんどない。

 一方で、上記のことを差し引いても、ZIP形式のファイル圧縮・解凍はとても有用で、これからもさまざまな場面で広く使われ続ける。この授業の受講生には、ZIPファイルの「アーカイブ機能」をぜひ覚えてもらいたい。ここでいう「アーカイブ」とは、複数のファイルを一つのファイルにまとめる機能のことだ。特別な操作はまったく必要ない。同時に選択した複数のファイルを右クリックして圧縮するだけだ。複数のファイルを保存したフォルダーを圧縮してもよい。

 では、アーカイブファイルをどのように活用するのか。例えば、ある仕事に関連する複数のファイルを電子メールで送信する時に、あらかじめ作成しておいたアーカイブファイルを送信すれば、相手はファイルを1つだけ受信することになる。相手は受信したファイルを解凍すれば、関連するすべてのファイルを確実に取り出すことができる。このようにすれば、関連ファイルの送信漏れや共有ミスを防ぐことができるだろう。他にも、USBメモリを使ってファイル共有をする場合にも、アーカイブファイルをあらかじめ作成しておけば、1つのファイルを共有するだけでよい。

 掲示板システムやファイル共有サービスでも、アーカイブファイルを活用できそうだ。メッセージ以外にファイルを掲示・共有することができても、ファイルの数に制限を設けていることが多いからだ。例えば、本学で利用しているUniversal Passportでは、1つの掲示に添付できるファイル数は最大で5つだ。また、Active! Mailも同様に、1通のメールで扱うことができる添付ファイルの数は5つまでだ。もし、関連するファイルがいずれも非常に小さなサイズであっても、ファイル数が6つあるというそれだけの理由で、1件の掲示・メールでは共有することができなくなる。しかし、アーカイブファイルを作成すれば、ファイルサイズの上限を超えないという条件で、1件の掲示・メールですべてのファイルを確実に共有することができるようになる。

 上記のように、複数のファイルをアーカイブ化することによって、オンライン・リモート業務の流れや意図がより明確に視覚化される。このことが、指示の漏れや間違い、誤解を減らすことにつながる。結果として、業務全体の効率が向上するだろう。

第11回 レポート・論文に用いる適切な書体とは

異なる書体が読者に与える印象の違いについての理解を目指して

 パソコンでは非常に多くの書体(フォント)が利用できる。しかし、TPOに応じた書体を利用することが重要である。ここでは、大学生にとっていちばん身近である、レポートや論文の執筆に焦点を絞り、適切な書体の利用について考察する。
 レポートや論文を日本語で執筆する際には、本文には「明朝体」を利用することが多い。明朝体は文字の太さが均一ではない書体である。例えば、「MS明朝」「游明朝」「BIZ UDP 明朝」「ヒラギノ明朝」などである。一方、本文以外の箇所(例えば、題名や見出し、強調したい語句)には「ゴシック体」を利用することが多い。ゴシック体は文字の太さが均一な書体である。例えば、「MSゴシック」「游ゴシック」「BIZ UDPゴシック」「メイリオ」などである。
 レポートや論文の本文にゴシック体を利用することもある。しかし、レポートや論文のすべての文章にゴシック体が利用されていると、文字の隙間から白い箇所が減ることがある(俗に「ページが黒くなる」と言う)。結果として、文章が読みにくくなることがある。この逆で、明朝体が読みやすいとは限らない。細い文字を採用している書体(ウエイトの小さい書体)で書かれたレポートや論文は、文章全体が白っぽく薄く見えるために、非常に読みにくくなる。
 レポートや論文には、派手な書体ではなく、没個性的な書体を利用することを心がけてほしい。没個性的な書体を利用すると、文章全体の印象も没個性的になる。もし、「丸ゴシック体」のような個性的な書体を利用すると、文章全体がまろやかでかわいらしい印象になる。しかし、レポートや論文にとって重要なのはあくまでも内容である。レポートや論文は評価を受けるために執筆・提出するものであるから、見た目の印象は何の意味も持たない。このことをふまえて、レポートや論文を執筆する際には、強い意味を持つ派手な書体、ある特定の印象や刺激を押し付けかねない書体を利用してはならない。
 パソコンには非常に多くの書体がプレインストールされている(あらかじめ組み込まれている)が、用途に応じた書体を追加インストールすることも可能である。書体は有償で販売されているものもあるが、無償で入手・利用できるものも多い。Macintoshの利用者は、ぜひ「UD書体」のインストールを検討してもらいたい。UD書体はユニバーサルデザインを考慮した、誰にでも読みやすい書体だ。開発元のモリサワhttps://www.morisawa.co.jp/)から無償で提供されている。利用者登録が必要だが、詳しい個人情報を提供する必要はない。書体の利用も無償である。なお、Windows10にはUD書体が標準搭載されているので、追加インストールする必要はない。

第10回 Officeドキュメントのアクセス権限、パーミッション

2つのパスワードを使い分ける

 Officeドキュメントにパスワードを設定できることは、この授業の受講生は全員確実に覚えたはずだ。とても簡単なので今後もぜひパスワード設定を活用してほしい。

 すでに知っている人もいるかもしれないが、Officeドキュメントに設定できるパスワードは2種類ある。「文書を開くためのパスワード」(1番目のパスワード)と「文書を編集するためのパスワード」(2番目のパスワード)だ。それぞれにまったく異なるパスワードを設定することができる。すると、ドキュメントの作成者であり管理者であるあなたは、2つのパスワードを持つことになる。2つのパスワードを共通にするメリットはほとんどないので、注意してほしい。

 ここで、この授業の課題レポートをパスワード付きWordドキュメントとして青山に提出することを想定してみる。もし、パスワード1はあなたと青山の2人で共有するが、青山にはパスワード2を知らせないとしたら、いったいどうなるか。青山は、あなたから教えてもらったパスワード1を使って、レポートを開くことができる。しかし、パスワード2を知らないので、レポートを「読み取り専用」として開くことが強制される。読み取り専用として開いたドキュメントには加筆修正を加えることができない。校閲機能を使って文章を気持ちよく添削・校正していたところ、実は青山が文章を誤って上書きしてしまった(あなたが長時間かけて書いた文章を消してしまい、呑気なことに、青山の文章として書き換えてしまった)、というような馬鹿げた間違いが起こる危険性が大幅に減るはずだ。

 2つのパスワードをうまく使い分ければ、ドキュメントの「アクセス権限」「パーミッション」を適切に設定することができるようになる。アクセス権限やパーミッションという概念をOfficeを使った業務にどのように応用できるのか、2つのパスワードをどのように設定し共有すればいいのか、さまざまな組み合わせを試行錯誤してほしい。もちろん、試行錯誤の結果、2つのパスワードを使い分けることは役に立たないということがわかるかもしれない。

6月の課題(6月10日水曜日20時15分公開)

 以下のファイルの指示にしたがって課題を提出すること。

第9回 USBメモリ購入についての指示・説明

簡単に扱えるツールで個人データをバックアップすること

 国際関係学部学生には、パソコン実習授業やコンピューター実習室利用者講習会を通じて、USBメモリを購入するように指示している。あわせて、個人データを実習パソコンではなくUSBメモリに保存するように指示している。ファイル共有サービスやオンラインストレージサービスが簡単に利用できるようになったとはいえ、より気軽に利用できるUSBメモリを活用しない手はない。

 パソコン本体とオンラインストレージサービスに個人データを保存しておけばそれで十分だという考えは浅はかだ。もしパソコン本体が故障したら、データを扱うことができない。オンラインストレージサービスも、自分のパソコン以外では快適に利用できないことが多い。例えば、サービスを利用するためのソフトウェアを実習室のパソコンにインストールすることはできない。ID・パスワードの管理も、実習パソコンのような共用パソコンではより慎重に行わなければならない。データを適切にバックアップするという観点でも、気軽に利用できるUSBメモリを活用することは重要だ。

 USBメモリの進化は急速で、より大容量なものがより安価に入手できるようになってきている。また、より高速なデータ書き込み・読み出しに対応する製品が増えてきている。学生には、USBバージョン3に対応している1000円程度で購入できる製品を推奨している。1000円程度で購入できる4GBまたは8GBのメモリ容量があれば、実習授業で扱うOfficeドキュメントの保存には何の支障もないからだ。

 この授業の受講生には、この授業ページへの書き込みという形で、USBメモリを購入することを指示する。だが、上記のようなごく簡単な指示・説明だけでは不十分だ。以下では、オンライン・リモート授業時代の指示・説明を進めていく。

USBメモリ購入についての指示・説明 オンライン・リモート授業の受講生を対象に

 USBメモリの多くはタイプAのコネクターを利用している。伝統的に、タイプAのコネクターはパソコン本体のUSBポートにも採用されているので、一番馴染み深い形状のコネクターだ。国際関係学部の実習パソコンもタイプAのUSBポートを搭載しているので、購入すべきUSBメモリも自動的にタイプAのものになる。ポートの形状と色をその場で確認できるので、「青い色のコネクターのUSBメモリを購入するように」と、指示や説明もごく短いものだった。ところが、オンライン・リモート授業は実習パソコンが個々の受講生の私物パソコンなので、事情が大きく変わってくる。したがって、説明も大きく変えなければならない。

 近年、タイプAのUSBポートを持たないパソコンが増えてきた。タイプAの代わりに、より小型のタイプCが広く使われるようになってきた。加えて、タイプCのUSBポートが電源ポート(PD対応ポート)をかねることも増えてきた。このことは、より小型・薄型のノートパソコンでは顕著だ。このことが原因で、タイプAのUSBメモリをノートパソコンで利用することができない、というトラブルを経験する人が増えてきた。

 USBコネクター・ポートは、適切なアダプターを購入すれば、形状を変換できる。もしあなたのノートパソコンにアダプターが付属していれば、それを利用するのが一番確実だ。タイプCをタイプAに変換するアダプターを利用すれば、タイプAのUSBメモリを扱えるようになる。タイプCを複数のタイプAポートに分岐させる「USBハブ」と呼ばれるアダプターが付属しているかもしれないが、同じようにUSBメモリを扱えるようになるはずだ。

 もしアダプターやハブが付属していない場合には、別途購入しなければならない。「タイプCをタイプAに変換・分岐する」アダプターやハブを購入することになる。特に、ハブにはさまざまな種類の製品があるので、注意が必要だ。

 より高速なデータ読み出し・書き込みに対応しているバージョン3のUSBメモリを扱う場合、ハブもバージョン3に対応することが望ましいので、製品のパッケージやコネクターの色を確認して、バージョン3対応であることを確実に確認する必要がある。バージョン2対応のアダプターやハブを利用することは可能だが、データの読み出し・書き込みが低速になる。低速になっても読み出し・書き込み自体は問題なく行われるが、バージョンの違いで価格差があまりないので、より高速なバージョン3に対応した製品を購入するのが妥当だ。

 USBハブは「セルフパワー」と「バスパワー」に大別される。電源アダプターが付属するものがセルフパワー、付属しないものがバスパワーと覚えて問題ない。USBメモリを扱うには、電源アダプターが付属しないバスパワー対応のUSBハブを購入すればよい。しかし、プリンターやスキャナー、外付けハードディスクやDVDドライブなどを利用する場合には、電源アダプターが付属するセルフパワー対応のUSBハブを利用することが必須となる。あなた自身のパソコンの利用状況にあわせて、2つの種類のハブを適切に選択する必要がある。

 USBハブには「タイプCをタイプAとPD対応ポートに変換する」ものがある。PD対応ポートが必要であるかどうかは、あなたのパソコンの使い方による。最近のノートパソコンは大容量バッテリーを搭載しているので、パソコンを長時間連続して利用することが可能になっている。このことをふまえて大胆に言えば、PD対応ポートを搭載していないハブを購入しても何の問題もない。

 USBメモリにはタイプCのコネクターを利用しているものがある。タイプAとタイプCを切り替えて利用できるものもある。この場合には、タイプCのUSBポートに直接差し込むことができるため、変換アダプターやハブを購入する必要がない。しかし、タイプCのUSBメモリは家電量販店などでは販売されていないことが多い。また、販売されているとしても高価なものが多い。入手のしやすさを考慮して、タイプAのUSBメモリとUSBハブを購入することを推奨したい。

 ここまでの説明・指示を見ただけですべてのことを確実に理解できるとは限らない。この授業の受講生には、家電量販店やパソコンショップで実際の製品を見てみることをおすすめしたい。以前にも書いたとおり、あなたは単なるパソコンの利用者ではなく、パソコンの管理者でもある。自宅でのパソコン利用環境をより快適なものにするには、あなた自身の情報収集が必須となる。そして、得られた情報を取捨選択して、実際に役立つ知識とスキルに昇華するためには、あなたの経験と試行錯誤が欠かせない。授業時間外での自己研鑽の意味をこめて、パソコン利用環境の整備について考えてほしい。

第8回 文章の校正・推敲

誰かを頼れない時は自分を頼る

 あらためて言うまでもないのだが、文章を書くことは難しい。授業のちょっとした感想を書くのも意外と難しい。授業の課題レポートや期末試験の論述解答のような、気の利いた文章を書くことはとても難しい。卒業論文のような高尚な文章を書くのはもっと難しい。高校時代に、大学入試のための自己推薦文や小論文を書いたことがある人は、添削だらけで真っ赤になった推薦文や小論文を受け取ったことがあるはずだ。あなたは日常生活で完璧な日本語を操るネイティブスピーカーだが、ネイティブライターとしての力量は所詮そんなものなのだ。もちろん、この文章を書いている青山も、日本語のネイティブライターとしての力量は偉そうなことを言えるレベルではない(ネイティブスピーカーとしても、偉そうなことを言えない)。

 よりよい文章を書くために、自分が書いた文章を他人に読んでもらい、加筆修正してもらうことはとても重要だ。自分が気がつかない間違いを指摘してもらえる、曖昧な理解を正してもらえる、自分の理解をより深めるきっかけを投げかけてもらえる...このような貴重な体験を得ることができる。気のおけない信頼できる友人知人がいたら、ぜひ自分が書いた文章を読んでもらい、率直な感想や意見を聞かせてもらうのがよい。

 一方で、他人に読んでもらうのはちょっと恥ずかしい、時間をかけて読んでもらうような価値はない、忙しいのにつまらない文章を読んでもらうのは申し訳ない...というようなことをつい考えてしまうこともよくある。間違いや矛盾を指摘されると、正直言って、心が折れる...という人もいるだろう。適切な相手が身近にいないということもありうる。誰かに頼めない・頼みにくい時は、自分で自分に頼めばよい。自分で自分の文章を読んで、自分で自分に間違いを指摘して、より理解を深めるためのきっかけを自分で自分に投げかければよい。

 もちろん、練習が必要だ。自分が書いた文章を少し時間をおいて読んでみる。可能であれば、翌日読んでみる。さらに可能であれば、数日後に読んでみる。時間をおいて自分の文章を読み返してみると、たとえ自分自身の文章であっても、読点の位置を変えたくなったり、言葉遣いを変えたくなったりするものだ。漢字の誤変換や英単語のスペリングミスも見つかるかもしれない。語順を変えたら文章が見違えるように洗練されたものになるということもある。昨日思いつかなかったより適切な表現を今日思いつくということもある。あの時うまく言い表すことができなかったが、しっくりくる結論が今ようやく頭にうかんだということもあるだろう。自分の文章であっても、あらためて読み返してみてはじめて気がつくことが多いはずだ。ぜひ試してみてほしい。可能であれば、2〜3回繰り返してほしい。

 ネイティブライターになるには特別な精進が必要だということを心に留めておいてほしい。精進するためのパートナーが必要な時には、教員に声をかけるのがよい。幸運なことに、すでに授業料を支払っているから、あなたには教員を使う権利がある。

第8回 第7回授業終了時課題の講評

課題の指示についてより注意深く、より忠実に

 第7回授業終了時の課題は以下のとおりである。

 配布資料についての感想・意見・疑問・反論...なんでもいいので1つのことがらについて、300字以内でWordファイルにまとめること。

 ここで「1つのことがらについて」という指示・条件にどれだけ注意を払っただろうか。提出済みのWordファイルを読み返し、自分の考えをまとめるまでの過程を振り返ってほしい。

 「1つだけ」という指示・条件なので、何か1つのことがらについてとことん突き詰めてみる、さまざまに思い浮かんだ複数の考えのうち「これぞ」と思える1つの考えだけをさらに集中的に考えてみる、書きたいこと・書けそうなことのいろいろな妄想の中で「これならなんとか書けそうだな」と本当に思える妄想を1つだけ選んでみる、この作業を進めてきただろうか。1つだけ選ぶ、1つのことに集中する、他の選択肢をすべて捨てる、というのは簡単なようで実は非常に難しい。「本当にそれでいいのかな」「他の選択肢も悪くないよね」「1つだけじゃ十分じゃないのでは」というような邪念も湧き上がってくるかもしれない。だが、「1つのことがらについて」という指示・条件により忠実になるべきなのだから、邪念を振り払う必要がある。

 あなた独自の「何か」を1つ選んだら、あとはひたすらそのことについて突き詰め、さらに考えを深め、妄想を広げていけばよい。その過程で、1つだけ選んだ「何か」が研ぎ澄まされていくはずだ。「なんでもいいので」という指示・条件があるのだから、本当になんでもいいのだ。だから、あなたが考えに考えた「何か」を300字にまとめさえすればいいのだ。例えば以下のように。

新型コロナウイルス感染症患者への誹謗中傷について

 授業参考資料を通じて、新型コロナウイルス感染症患者が受けた誹謗中傷の実際を知った。ある大学生は、「自宅待機していたと大学に報告していたが、実際には、感染がわかるまで外出していた」という嘘をついたと、SNS上で憶測された。加えて、偽の目撃談が捏造され、まるで危険人物・犯罪者であるかのような不当な扱いを受けた。調査・報告の誤りを大学が認めたことが公表された後も、SNS上では大学生についての憶測や偽情報はなくなっていない。誤った情報や偽の目撃談は今後もSNS上に残り続けるため、大学生の名誉回復がなされない危険性がある。第三者による感染症患者についての情報発信は何の利益も生み出さないと思った。(296字)

 もちろん、指定された文字数で文章をまとめるには適切な知識やスキルが必要だ。試行錯誤も必要で、文章を書く練習も欠かせない。しかも、300字という中途半端な字数制限での文章作成は難易度が非常に高い。何度も繰り返しているように、この授業は試行錯誤の場だ。他の授業で赤っ恥をかかないために、練習を行い、失敗を繰り返し、少しだけ成功体験を積む、そういう場だ。この授業の課題で失敗したところで、国際関係学部らしい専門的な学びについて失敗しているわけではない。1つの小課題の成績が振るわなかったからといって、この授業の成績が不可になるのでもなく、人生が終わってしまうのでもない。人生はチャレンジの連続だから、どんどんチャレンジしてほしい。

第7回 パソコンの管理者としての心得 その3

パソコンの管理=最新情報の収集

 パソコンの管理者としての知識とスキルを習得するためには情報収集が欠かせない。知識は自然と湧き出るものでも、ふと思い浮かぶものでもない。「試行錯誤、習うより慣れろ」でスキルを身につけるためには、何が必要か、何が適切か、何が最新か...を見極めるための判断材料や指針が必要だ。パソコンの利用者として、同時に、パソコンの管理者として、日頃から情報収集に努めてもらいたい。

 インターネット、パソコン、ソフトウェア、周辺機器、ネットワーク障害についての情報はインターネットで簡単に収集できる。しかし、ただ闇雲に情報検索したり、何の指針もなく情報収集するのは非常に効率が悪く、時間の無駄でもある。例えば、以下のウェブサイトを定期的に利用することをおすすめしたい。

第7回 パソコンの管理者としての心得 その2

パソコンの管理=ソフトウェアの更新

 パソコンの管理者としてのあなたが次に身につけるべきものは、各種ソフトウェアをより最新の状態にし、安全かつ安定した実習環境を整備・運用するための知識とスキルだ。いわゆる、ソフトウェアの更新、バージョンアップ、アップグレードと呼ばれる業務だ。特別に難しい知識が必要になるわけではなく、難解で複雑な整備作業を強いられることもない。更新作業はパソコンがインターネットに接続されている状態で行うことが前提である。

Windowsパソコンの更新作業 Windows Update

 Windowsパソコンの操作の土台・基礎を成すためのOS(オペレーティングシステム)を更新する時には、「Windows Update」を利用するのが一番確実かつ簡単な方法である。Windows Updateを実行するだけで、Windowsを最新の安全な状態に更新することができる。

 Windows 10の場合、スタートボタンをクリックして表示されるメニューで「設定」(歯車のアイコン)を選択すると、各種の設定を変更するための「Windowsの設定」が表示される。ここで「更新とセキュリティ」をクリックすると「Windows Update」が表示される。もし、Windowsが最新のバージョン・ビルトに更新されていれば、「最新の状態です」と表示されているはずだ。そのすぐ下に記載されている更新日時・最終確認日時も参照しておきたい。ただし、「最新の状態です」という表示が本当に正しいかどうか明確ではない時、つまり、最終確認から数ヵ月以上が経過している場合には、「更新プログラムのチェック」をクリックして、Windows Updateを実行することになる。

 Windows Updateは月に一度をめどに、定期的に実行してほしい。最終確認から数ヵ月以上が経過している場合には、更新データを大量にダウンロード、インストールするために、数時間かかることがある。更新と再起動を何度も繰り返すことが要求されることもある。更新が終わるまで長時間パソコンを利用できなくなることを避けるためにも、Windows Updateを定期的に実行してほしい。

Windowsパソコンの更新作業 Microsoft Office

 Word・Excel・PowerPointなどのOfficeコンポーネントの更新は、「Windows Update」を通じて行うのが一番確実かつ簡単な方法である。Microsoft製品のWindowsとOfficeをまとめて、月に一度をめどに、定期的に更新しておくのがよいだろう。

 Windows Updateの画面で「詳細オプション」をクリックすると、「更新プログラムのオプション」の各種設定を変更できるようになる。ここで「Windowsの更新時に他のMicrosoft製品の更新プログラムを受け取る」をオンにすればよい。次回のWindows Updateからは、OSとアプリケーションの更新を一度に実行できるようになる。

Windowsパソコンの更新作業 その他のアプリケーション

 あるアプリケーションを利用している時、「ヘルプ」メニューが表示されていれば、メニューの中に「更新」「アップデート」に関連する項目があることが多い。「について」(英語の場合は「About」)「バージョン情報」を選択すると、更新が実行できることもある。他にも、「初期設定」「各種設定」(英語の場合は「Preference」「Setting」)に関連するメニュー・項目で更新を実行できることもある。アプリケーションの操作画面に「更新」「アップデート」などのボタンが表示されていることもある。

 アプリケーションの更新はおよそ、アップデーターのダウンロードとインストール、または、自動更新、この2つのうちのどちらかだ。基本的には、いずれの場合にも、アプリケーションの指示に従えばよい。作業途中で指示がなくなった場合、「ダウンロード」フォルダーにダウンロードされたアップデーターをダブルクリックして更新作業を行うことになる。OSのアップデートと違い、ごく短時間(1分程度、長くても5分程度)で更新ができることがほとんどである。

Macの更新作業 ソフトウェア・アップデート

 macOSの名称とバージョン名を確認するために「このMacについて」を選択すると、画面右下に「ソフトウェア・アップデート」というボタンがあることがわかる。ここでmacOSを更新することができる。パソコンがインターネットに接続される状態でソフトウェア・アップデートを実行すれば、macOSを最新の安全な状態に更新することができる。

 もし、macOSが最新のバージョン・ビルトに更新されていれば、「このMacは最新の状態です」と表示されているはずだ。そのすぐ下に記載されている更新日時・最終確認日時も参照しておきたい。「Macを自動的に最新の状態に保つ」をチェックしておいてもよいだろう。インターネットに接続されていると、更新データの有無が自動的に判別される。もし「このMac用のアップデートがあります」と表示されていたら、「今すぐアップデート」をクリックして更新を実行するのがよい。

 ソフトウェア・アップデートは「システム環境設定」からも実行できる。アップルメニューまたは「Dock」からシステム環境にアクセスし、「ソフトウェア・アップデート」アイコンをクリックすればよい。

 Windowsとは異なり、macOSの更新データは不定期的に提供されることが多い。このために、更新作業を忘れてしまいがちになる。しかし、パソコンがインターネットに接続されていると、更新作業が必要になった場合には、アップルメニュー・システム環境設定・Dockの表示が自動的に変化して、更新作業を促してくれる。更新は長くても1時間程度で終わるので、更新作業が必要になったら一度保留にしておき、空き時間や休日を利用して更新をしておきたい。

Macの更新作業 Microsoft Office

 Word・Excel・PowerPointなどのOfficeコンポーネントの更新は、「Microsoft AutoUpdate」を通じて行うのが一番確実な方法である。ただし、Microsoft AutoUpdateを単独で実行することは非常に難しい。代替法として、例えば、Wordを実行し、「ヘルプ」メニュー-->「更新プログラムのチェック」を選択すると、Microsoft AutoUpdateを実行することができる。指示に従って、更新作業を行えばよい。更新は長くても10分程度で終わるので、更新作業が必要になったら一度保留にしておき、空き時間や休日を利用して更新をしておきたい。

Macの更新作業 その他のアプリケーション

 Macでは「App Store」から入手したアプリケーション(App Storeアプリ)を利用することが多い。App StoreアプリはApp Store経由で更新することになる。月に一度をめどに、アップルメニューからApp Storeにアクセスして、更新の有無を定期的に確認するのがよいだろう。App Storeアプリの更新は「アップデート」を経由した自動更新が原則なので、非常に簡単かつ確実に実行できる。更新の際にApple IDでのユーザー認証が必要になる場合があるので、ぜひ注意してほしい。

 App Storeアプリであるかどうかに関係なく、あるアプリケーションを利用している時には、そのアプリケーション名が記載されたメニューがアップルマークの右に必ず表示される。このメニューの中に「更新」「アップデート」「最新版をチェック」のような項目があれば、そこで更新作業を行うことができる。「ヘルプ」メニューから更新作業を実行するアプリケーションもある。この意味で、アプリケーションを更新したい時には、メニューから「更新」「アップデート」「最新版をチェック」などの項目を探せばよい。

 App Storeアプリ以外のアプリケーションは、アップデーターのダウンロードとインストール、または、自動更新、この2つのうちのどちらかの方法で行う。基本的には、いずれの場合にも、アプリケーションの指示に従えばよい。作業途中で指示がなくなった場合、「ダウンロード」フォルダーにダウンロードされたアップデーターをダブルクリックして更新作業を行うことになる。OSのアップデートと違い、ごく短時間(1分程度、長くても5分程度)で更新ができることがほとんどである。これはWindowsパソコンとまったく同様である。

第7回 パソコンの管理者としての心得 その1

パソコンの管理=ソフトウェア情報の把握

 この授業は「自宅でインターネットが利用できるパソコンを所有していること」が履修条件のひとつになっている。授業への出席や課題の作成に支障がなければ、あなたがいま利用しているパソコンがあなた自身の所有物であるか、同居家族と共同利用しているかどうかは関係がない。ただし、あなたはそのパソコンの単なる利用者ではなく、この授業の実習環境の整備責任者であり、そのパソコンの管理者であることを強く認識しなければならない。

 通常の実習授業であれば、実習環境の整備・提供は大学が責任を負う。パソコンや学内ネットワークの管理・運用も大学が行う。つまり、実習授業に関するすべての環境の整備、管理・運用の業務を担当するのは大学である。それらを受講生に担当させることはない。一方で、今年度の授業はオンライン・リモートで行っているが、実習環境の整備・提供をすべて大学が担当しているわけではない。また、受講生が利用しているパソコンやネットワークサービスをリモートで管理・運用することはできない。オンライン・リモートの授業では、授業に出席するための情報通信機器の整備・提供は個々の受講生に依ることがほとんどである。この授業もまったく同様である。

 もちろん、この授業の受講生は情報通信機器やネットワークサービスの管理・運用のプロフェッショナルではない。この意味で、大学とまったく同等の知識やスキルを身につける必要はない。授業が途中で破綻しないように管理・運用に常に気を配ったり、トラブル対策業務に従事できるように準備をする必要もない。だが、パソコンの単なる利用者・所有者ではなく、実習環境の整備責任者として、パソコンの管理者として、あなたは自覚を持つ必要がある。あなたのパソコンに何か不具合が生じたら、その不具合に対応するのはあなた以外にいないからだ。

 もちろん、自覚以外の知識やスキルがあなたに求められることは言うまでもない。このひとつがあなたが利用しているパソコンにインストールされている各種ソフトウェアのバージョン管理だ。パソコンには操作の土台・基礎を成すためのOS(オペレーティングシステム)とアプリケーション(具体的な作業をするためのソフトウェア)がインストールされている。あなたのパソコンには何がインストールされていて、あなたは何を利用しているのか、適切に把握する必要がある。「入学祝いに買ってもらったWindowsパソコンを使っている」という程度の知識では不十分だと言うことを理解する必要がある。

 以下、バージョン管理のための必要最低限の知識とスキルを記載しておく。

ソフトウェアの名称とバージョンを覚えること

 まず、「Windows 10」「macOS」「Word 2019」「Safari」「Google Chrome」「Dropbox」「Skype」など、あなたが利用しているソフトウェアを覚えること。つまり、覚えなければならないのは「製品名」だ。バージョン名や発売年を含めて覚えること。もちろん、製品名を正しく読めなければならない。例えば、WindowsパソコンであればOSとしてWindowsを利用しているのは当たり前だが、「8」であるのか、「8.1」であるのか、「10」であるのか、この違いが重要だ。パッケージ販売されているソフトウェアは発売年や開発年が製品名に含まれていることがある。例えば、Microsoft Wordであれば、重要となるのは、それが「2016」であるのか、「2019」であるのか、この違いだ。

 関連して、エディション、リビジョン、ビルト番号などと呼ばれるより細かい情報を検索できることが理想となる。例えば、Windows 10には「Home」と「Pro」のエディションの違いがある。また、それぞれに「2004」「1909」「1903」「1809」...というバージョン(=リリース年月)の違いがある。ビルドは各バージョンの更新状況を表す情報だ。また、Windows Updateを適切に実行すると、Windowsが安全かつ安定した最新の状態に更新され、ビルト番号が大きくなっていく。ビルト番号を比較して、より大きいビルト番号であればあるほど、「より新しい」「より多くのセキュリティ対策がなされている」「より安定している」Windowsであるということを意味する。

 どこまで細かく情報が表示されるのかは、ソフトウェアごとに異なる。細かいビルト番号が表示されないソフトウェアも多い。例えば、macOSの場合、細かいビルト番号よりもより大まかなバージョンの違いが重要となる。最新のCatalinaであれば、一番最初にリリースされたオリジナルバージョンは「10.15」だが、「10.15.1」「10.15.2」「10.15.3」...のように更新されている。また、一世代前のMojave(macOS 10.14)の最新バージョンは「10.14.6」である。

Windowsでの調べ方 OSの情報

 「スタート」を右クリック-->「システム」を選択すると「バージョン情報」が表示される。ここに「Windowsの仕様」つまり、OSの情報が記載されている。また、「エクスプローラー」を操作している時に(何かウィンドウが開いた状態で)、「ファイル」メニュー-->「ヘルプ」-->「バージョン情報」を選択すると、およそ同じ情報の「Windowsのバージョン情報」が表示される。

Windowsでの調べ方 アプリケーションの情報

 あるアプリケーションを利用している時、もし「ヘルプ」メニューが表示されていたら、メニューの中には必ず「について」(英語の場合は「About」)という項目がある。例えば、「Adobe Acrobat Reader DCについて」「VideoLANについて」のように。単に「バージョン情報」などと表記されている場合もある。その項目を選択すると、アプリケーション名とバージョン名が必ず表示される。ビルト番号も表示されているかもしれない。

 このように、「ヘルプ」情報の近くにバージョン名が表記されていることを覚えておく。「ヘルプ」メニューが存在しないアプリケーションの場合、「ヘルプ」ボタンからバージョン名を表示させることができる場合あがある。

 WordやExcelなどMicrosoft Officeの情報は上記の方法で調べることができない。Office製品は、まずアプリケーションを実行してファイルを開き(空のファイルでもよい)、「ファイル」メニュー-->「アカウント」を選択すると「製品情報」が表示される。ここに製品名が表示されている。さらに「バージョン情報」を選択すると、ビルト番号が表示される。なお、あるひとつのアプリケーションの情報を調べるとOffice全体の情報を調べたことになる。例えば、Home & Businessを利用している場合、Wordの情報を調べると、他のコンポーネントの情報、つまり、Excel・PowerPoint・Outlook・OneNoteの情報を調べたことにもなる。

macOSでの調べ方 OSの情報

 画面の左上に必ず「アップルマーク」が表示されている。ここをクリックすると「アップルメニュー」が表示される。ここで「このMacについて」を選択すると、macOSの名称とバージョン名が表示される。ここにはパソコンのシリアル番号(つまり、あなたのパソコンを特定するための固有のID)も表示される。第三者に開示しないように気をつけること。

macOSでの調べ方 アプリケーションの情報

 あるアプリケーションを利用している時、そのアプリケーション名が記載されたメニューがアップルマークの右に必ず表示される。例えば、「Acrobat Reader」「VLC」のように。そのメニューの一番上には必ず「について」(英語の場合は「About」)という項目がある。例えば、「Adobe Acrobat Reader DCについて」「VLCメディアプレイヤーについて」のように。単に「バージョン情報」などと表記されている場合もある。その項目を選択すると、アプリケーション名とバージョン名が必ず表示される。ビルト番号も表示されているかもしれない。

 WordやExcelなどMicrosoft Officeについては、あるひとつのアプリケーションの情報を調べるとOffice全体の情報を調べたことになる。例えば、Office Academic for Macを利用している場合、Wordの情報を調べると、他のコンポーネントの情報、つまり、Excel・PowerPoint・Outlook・OneNoteの情報を調べたことにもなる。

第6回 5月課題の提出状況

これまでの学びを生かすということ

 このページの一番下に書かれているが、この授業の受講生へのメッセージをもう一度見てほしい。そのあと、これまでの授業内容とこのページに書かれていることを振り返りつつ、ここまでゆっくり戻って来てほしい。

 この授業の受講生への4番目のメッセージは「学内Webメールを利用すること」だ。電子メール利用についてはもうこれで十分だ、この2ヵ月で多くのことを学んだし経験もした、TPOをふまえたメールの書き方はこれから試行錯誤しながら身につけるのだ、もし現時点で知らないことやできないことがあっても自分でなんとかやっていけそうだ...などと振り返った受講生もいるのではないか。ここで問い直したい。本当ですかと。

 第4回授業でPDFファイル2つを参考資料として配布した。「ネチケット」、つまり、インターネットを活用したコミュニケーションのエチケットについての資料だ。ネチケットの中でも特に、大学という場での電子メール利用のマナーについての資料だ。ここで問い直したい。2つの資料をじっくり読んで、自分なりに学びを深めることができただろうかと。単に教員が自己満足のために資料を配布しているのではないことを、教員の立場で理解することができただろうかと。エチケットやマナーは試行錯誤を繰り返さなければならないことを、資料を通じて読み解くことができただろうかと。学生としてのエチケットやマナーを守ると授業担当教員が幸せになり、結果として、授業全体が円滑に進むようになるという点で、少しだけ教員を思いやることができただろうかと。

 大まかに言って、5月課題の提出時に、電子メールのネチケットを守ってくれたのは受講生のおよそ半分だ。ネチケットは法律や法則ではないから、守らなくてもなんの罰則もないのかもしれない。また、ネチケットが守られていなくても、提出された課題が満点であればそれでいいのかもしれない。だが、そうではないのだということを、この授業の受講生には強調しておきたい。特に、この授業の受講生の中には、教職に就くことを将来の目標としている人がいる。あなたの生徒がエチケットやマナーを守って課題を提出してくれたらどれくらいうれしいだろうか、採点業務がどれくらい軽くなるだろうか、ぜひ想像してもらいたい。

 今後の課題提出に向けて学びを深めてもらいたい。また、他の授業での課題提出に向けて、この授業を通じて試行錯誤を深めてもらいたい。

5月の課題(5月15日金曜日19時公開)

 以下のファイルの指示にしたがって課題を提出すること。

第5回 情報モラルについて学ぶ

何を題材に学ぶのか

 教科書第4講は情報モラルを学ぶ単元だ。教科書から情報モラルについて学ぶことはもちろん重要だ。これまであなたが受けてきた情報教育を振り返る意味でも、教科書をじっくり読んでほしい。同時に、いったん教科書を離れて、情報モラルをいつどのように学ぶべきかを考えてほしい。「情報モラル」についての教科書的な定義についての考察、また、「情報」「モラル」ということばが指し示す概念についての議論を保留にし、21世紀に生きる若者の視点から、自由に考えてほしい。

 情報モラルについては、この言葉を直接見聞きすることはないが、新聞記事やテレビのニュース番組でも頻繁に扱われる。第5回目授業終了時点では、以下のトピック・出来事をあげておきたい。以下がすべてではないということは、もちろん言うまでもない。

 あなたは上記のトピック・出来事を知っているだろうか。答えがイエスの人は、いつどこでどのように知ったのだろうか。どのような内容をどのくらいの詳しさでどのくらいの頻度で見聞きしたのだろうか。答えがノーの人は、なぜ知ることがなかったのだろうか。見聞きすることはできなかったのだろうか。

 今後、あなたは上記のトピック・出来事を見聞きするだろうか。いつどこでどのように見聞きするだろうか。どのような内容をどのくらいの詳しさでどのくらいの頻度で見聞きすることになるだろうか。まったく見聞きしないことになるだろうか。

 上記のトピック・出来事を知った者として、メディアをめぐる社会問題の存在を知った者として、あなたの行動や生活はどのように変化するのだろうか。それとも、変化しないのだろうか。社会全体はどのように変化していくのだろうか。それとも、変化しないのだろうか。さまざまな問題を抱える社会にあなたはどのように関与していくのだろうか。それとも、関与しないのだろうか。

 たった4つのトピック・出来事だが、21世紀に生きる若者の視点から、自由に考えてほしい。マスメディアで扱われたトピック・出来事は、21世紀に生きる若者にとって不可欠のアイテムであるスマホを通じて知ることができる。どんどん情報検索してもらいたい。スマホという身近なツール・メディアを使って情報を入手すること、その情報を理解すること、背景事情を考察すること、その情報と自身との関わりを模索すること...これらが情報モラルを学ぶことそのものだ。このことはもちろん、教員からの強制かつ押しつけだ。いうまでもなく、あなたの意思に反して無理に考える必要はなく、教員の意向を忖度必要もない。

 ここで、いったん離れた教科書にまた戻ってほしい。これまであなたが受けてきた情報教育を振り返る意味でも、教科書をじっくり読んでほしい。そして、情報モラルについての学びを深めていってほしい。

第6回目授業に向けての課題

 この授業では、成績評価について「7月末までにタッチタイピング技能が実務レベルに達しない場合、評価を1段階下げる」という要件を設けている。オンラインかつリモートで実施している今年度の授業で、タイピング技能をどのように測定したらよいか、青山宛電子メールで具体的に提案しなさい。もちろん、技能測定は不可能である、または、妥当ではないという提案・説明をしてもよい。提案期限は6月4日(木)18時ちょうどとする。

 なお、昨年度の授業と同様に、この授業では「実務レベルのタイピング技能」を「教科書p.21またはp.27の課題文書を20分以内でタイピングすること(レイアウト、フォーマットは整えなくてもよい)」と定義する。また、タイピング技能の測定は授業時間外に実施することが条件である。

第4回 具体的な情報提供とは

すべての情報を提供・開示すればよいとは限らない

 まず、参考資料として送信したPDFファイルを見てほしい(パスワードは青山の電話番号、ハイフン付きで12桁)。資料には、国の助成・支援制度を利用しようとしている多くの人が、複雑かつ煩雑な申請手続きと格闘している様子がレポートされている。もちろん国は、助成・支援制度を必要としているすべての人に対して、すべての情報を具体的に提供・開示している。しかし、制度の利用者にとっては、用語を理解することが難しいようだ。また、作成・提出書類と記載項目が多岐にわたることも相まって、多くの利用者にとっては、独力で申請手続きを進めることが難しいようだ。このことが原因となり、助成・支援制度の趣旨や目的が利用者に正しく理解されないこともあるようだ。

 参考資料の事例から分かるように、ある制度についてすべての情報提供・開示しても、その制度が実際に意図どおりに機能するとは限らない。授業内容に関連して言えば、あることがら・課題について思いつくすべての意見や考えを相手に伝えたとしても、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の言葉どおり、相手には何も伝わらないということがあるのだ。日常生活のさまざまな場面での人間関係やコミュニケーションを想定して、いろいろなことをぜひ考えてほしい。

第4回 メールの文章、文体について

慇懃無礼にならない程度に丁寧かつシンプルに

 この授業の受講生のほとんどは、電子メールの利用を突然強制されて、とてもうんざりしているのではないだろうか。なぜならば、教員相手のメールをどうやって書いたらいいのか神経を使うからではないだろうか。以下、メールの文章、文体についての指針・ガイドラインを書いておくので、参考にしてほしい。

 まず、あなたの名前を本文の冒頭で名乗ることはある種のマナー、エチケットだと考えてほしい。初対面ではないと明らかにわかっている相手へのカジュアルなメールでは、相手の上下関係や身分・地位の違いがあっても、名乗らなくても失礼ではないだろう。また、過去のメールの流れから、前後の文脈から、特定の状況から、明らかにあなたからのメールだということが相手に確実に伝わる時には、名乗る必要はないだろう。メール本文の一番最後に署名を書き添えている場合も、必ずしも名乗らなくてもよいとだろう。もちろん、これらはマナー、エチケットにすぎない。親しき仲にも礼儀ありというように、あなたの名前を名乗った方が適切だという状況もあるだろう。フォーマルかインフォーマルかという視点で言えば、名乗った方がフォーマルな印象を相手に与えるだろう。

 「第4回目授業の課題を送信します」のようなメールを送信する目的も、必ずしもメール本文の冒頭で明示しなければならないものではない。メールの件名・題名・タイトルに目的が明示してあればそれで十分だとされる場合が多いように思う。もちろんこのことも、マナー、エチケットにすぎない。念のために書き添えるということは、丁寧か無礼かという視点で言えば、丁寧だという印象を与えることは間違いない。

 授業の担当教員と受講生という関係でメールをやり取りする時、「お世話になっております」「お忙しいところ申し訳ございません」のような学生からの挨拶は不要だと私は考えている。学生の側には、教員は絶対君主のような最敬礼の対象だというような強迫観念があるように思う。この理由で「教員に対しては絶対に失礼があってはならない」という心理的なプレッシャーを抱く学生が多いように思う。そのような強迫観念や意味のないプレッシャーを抱く必要はまったくない。ビジネスライクに「平素よりお世話になっております。お忙しいところ恐れ入ります。」などと書かれたメールを学生から受け取ると、少し大袈裟に言えば、「慇懃無礼だな」という印象を受ける。「磯山さやか先生、おはようございます。」「高畑充希先生、こんにちは。」のような挨拶が適切だと、私個人は考えている。

 関連して、特に学生は、敬語を使うことに必要以上に気を使わなくてもよいと考えている。もちろん、敬語を正しく使うことができる、相手や状況に合わせて敬語を使い分けることができる、というのが理想だ。「正しい敬語」に注力するあまり、滅茶苦茶and/or破茶滅茶and/or滅茶滅茶な文章を書いてしまっては、本末転倒and/or主客転倒and/or冠履転倒な上に、抱腹絶倒and/or呵々大笑and/or腹筋崩壊な状況を引き起こしかねない(もちろん経験としては貴重だが)。例えば、大学の授業について言えば、

また、

のような不思議な文章を書いてしまいかねない。もっとシンプルに、

また、

のように書いて何の問題もない。このことは通常の対面授業での会話にも当てはまる。教員と受講生という身分や立場の違いはあるが、慇懃無礼にならない程度に丁寧かつシンプルに対話するのがよいと思っている。受講生同士ならなおさらだ。

 このように指針・ガイドラインめいたことを提示すると、「唯一無二のルール」「完全無欠の法則」「よりよい成績を得るために従わなければならない規則」として崇め奉るくらいに大きく勘違いする学生がいる。また、大学教員は完璧に敬語を使うことができるので絶対に間違わない、大学教員の言葉遣いこそが学生のお手本だ、というように誤解する学生もいる。ぜったいに勘違いせず、誤解しないようにしてほしい。

第4回 ここまでに採用しなかった授業内容

1 教員の間違いを指摘する

2 ものごとを文書と口頭で説明する

第4回 教材・参考資料の作成・配布について

得体の知れない教材・資料を提示してはならない

 この授業には、教職に就くことを目標として、教職課程を履修している受講生がいる。大学の授業に限らず、高校の授業でも教科書以外の教材や参考資料を提示することはよくある。複数の教材や資料を組み合わせて、オリジナルの教材を作成・配布することもあるだろう。そのような場面を想定して、教材・資料の適切な提示方法について考えてみたい。

 まずは、授業時間中に送信した2つのPDFファイルを見てほしい(パスワードは青山の電子メールアドレス)。これらのファイルは「ネチケット」、つまり、インターネットを活用したコミュニケーションのエチケットについての参考資料だ。ネチケットの中でも特に、大学という場での電子メール利用のマナーについての資料だ。両者ともに、とてもうまくまとめられている、大きな価値のある資料だ。資料に書いてあることがらは、大学生として身につけるべき最低限度の知識とスキルだ。もちろん、その知識とスキルが実践できなければならない。どのような分野・領域でも、知識とスキルは教科書を通じてのみ学ぶのではない。もちろん、教員の講義や説明を通じてのみ学ぶのでもない。複数の教材や参考資料を通じて、また、実践と試行錯誤を繰り返して、日常生活のさまざまな場面や状況からヒントを得て、知識とスキルを学ぶのが理想だ。教員はそのようなメッセージを込めて、受講生に教材や資料を配布する(もちろん、青山にも当てはまる)。

 一方で、上記のような教員の(崇高な)メッセージとは関係なく、受講生は特に何も考えることなく教材や資料を受け取ることが多いのではないだろうか。受け取る時に何か特別なことを考えることはまずあり得ないし、受け取った教材や資料から教員の言外のメッセージを読み解こうとすることの方が不自然だ。教科書とは別の教材が配られたな、参考になるかもしれない資料が入手できたな、受け取ってはみたものの読むのが面倒くさいな...というようなことを考えながら単に受け取っている、まさしく受身的に受領するだけのことが多いのではないだろうか。一方通行的な受け取り自体はなんの問題もなく、教員にも他の受講生にも誰にも迷惑をかけないという点で、多くの場面ではむしろ推奨されるかもしれない。

 だが、この授業の受講生には単なる受身的な受け取り方をするなと言っておく。特に、教職を目指そうとする受講生には強く言っておく。授業で教材や参考資料が配布されたら、それが得体の知れない教材や資料ではないことを確認する必要がある。いい加減かつテキトーに作成された教材ではないこと、何かの根拠や証拠に基づいて配布されている資料だということ、受け取った教材や資料が歪曲・捏造されたものではないこと、これらを確認する必要がある。言い換えると、これらのことがらをあとでじっくり検証できるように、出典、参照元や引用元が明記されているかどうかを確認する必要がある。

 ここで、授業時間中に送信した2つのPDFファイルを見てほしい。繰り返しになるが、これらのファイルは電子メールのマナーについての参考資料だ。両者ともに、とてもうまくまとめられている、大きな価値のある資料だ。しかし、このような方法で資料を提示してはならない。特に、将来教職に就くことを目標としている受講生は注意してほしい。もちろん、教職を目指すわけではない大多数の受講生は注意をいっさい払わなくてもよいということを言っているのではない。もし他の授業でこのような不適切な方法で提示された資料を受け取った時は、問題の所在を適切な方法・タイミングで授業担当教員に指摘し、問題の改善を要望すること。このことはこれまでの授業で確認したとおりである。

第5回目授業に向けての課題

過去に提出済みの以下の3つの課題のそれぞれについて、適切に加筆修正してWordファイル1ページにまとめ、課題ごとに青山宛電子メールで再提出すること。提出期限は5月29日(金)16時20分とする。

  1. 教員の失敗・間違いを指摘すべきかを答えなさい。その理由も答えなさい。
  2. OSとOfficeのバージョン情報をあなたはどのようにして調査したか、具体的に説明しなさい。
  3. 第3回目授業終了時の課題での「具体的に説明する」とは何を意味するのか。具体的な説明とはどのような説明であるべきか。

第3回 パソコン操作の試行錯誤について

教わらなくてもできることがある

 前回のメッセージの第一段落に、「なにごとも瞬時に理解できるように教わりたい、説明を一回聞いただけですべて理解できるように授業を進めてもらいたい、誰もが一発で成功するような手本を示してもらいたい...という要望を授業に求めないでほしい」と書いた。私の授業ではこの姿勢は未来永劫、変化しないと思う(と、現時点では思っている)。一方で、受講生の中には、学生の要望を受け付けないとは教員にあるまじき言動だ、そんないい加減な態度で授業を担当してもらっては困る、教員であるにもかかわらず積極的に教えようとしない青山は極悪教員だ...のように考える人もいるだろう。ここで、第3回目授業を振り返ってほしい。

 第3回目授業では、授業開始時に「考えたことをWordファイルにまとめ、青山宛に添付ファイルで提出すること」という課題を設けた。私の事前の予想に反して、ほとんどの受講生がこの課題をクリアした。時間制限を設けた結果、自分の考えをすべてまとめられなかった受講生もいただろう。だが、ほとんどの受講生がWordファイルを提出するという課題はクリアした。また、送信期限に提出が間に合わなかった受講生の中には、少し遅れて、または、授業後に提出した者もいた。パソコンの操作について、また、添付ファイルの送信について、授業担当の私が何の具体的な指示をしなくとも、ほとんどすべての学生が最終的には課題をクリアした。

 添付ファイル送信という課題に限らず、また、パソコンの操作に限らず、具体的な手順や方法を教えられなくてもできる課題がある。特に授業時間中の課題としては、そのような課題を設定することの方が多いくらいだ。パソコンの操作に限って言えば、ソフトウェアのインターフェイス・操作画面にヒントが多く表示されていることが多い。そのヒントをうまく読み解くことによって、具体的な手順や方法を教えられなくても、与えられた課題をクリアすることができるのだ。与えられた課題と目の前のヒントをうまくむすびつけることができれば、目的となっている操作を行うことができ、得られるべき結果を得ることができるのだ。

 もちろん、ヒントを読み解くにはコツが必要で、読み解くための知識や経験が必要だ。それは試行錯誤を繰り返して身につけていくほかない。授業は試行錯誤の場だ。授業では試行錯誤することが重要で、課題をクリアすることや得られるべき結果を得ることが重要なのではない。もし課題をクリアできなかったとしても、事後に適切な指示や情報を受ければ、あっという間に課題をクリアできる。得られるべき結果を得るための手順や方法は、事後に説明を受ければ、あっという間に習得できる。この点をふまえて、今回の課題が簡単にクリアできた人もできなかった人も、そもそも授業の課題とは何か、少しだけ考えてほしい。

 なお、授業開始直後のディスカッションで、Wordファイルをうまく添付できない、添付しようとするとエラーが生じる、という報告があった。一般的に、添付ファイルを電子メールで送信する場合、「編集を終えたファイル」「保存されているファイル」を送信する。言い換えると、「編集中のファイル」「今見ているファイル」を送信することはできない。もし時間の余裕があるならば、編集中のファイルを送信しようとすると何が起こるか、実験してみるとよい。例えば、

  1. 一度保存したWordファイルを開き、
  2. そのファイルに何かを新たに書き込むが、保存せずに開きっぱなしにしておき、
  3. そのファイルを添付ファイルで送信すると、相手はどの状態のファイルを受信するのか

を確認してみるとよい。ひょっとすると、ファイルが適切に送信できないかもしれない。授業のレポート提出や会議の議事録作成など、さまざまな場面や状況を想定して、授業時間外の自習としてぜひ取り組んでほしい。誰にも教わらなくとも進められるのが自習のよいところだ。

第3回 パソコン操作サポートについてのあるある(と授業の進め方について)

サポートする人はなんでも知っている天才ではない

 この授業の受講生の中には「自分はパソコンが苦手だ」「パソコンのことがよくわからない」「教えてもらったことをすぐ忘れてしまう」という人がいると思う。それはよくあることだ。もちろん、パソコンに限らない。学校での勉強についていえば、どのような科目であれ、どのような内容であれ、なにごとも瞬時に理解する、説明を一回聞いただけですべて理解する、手本どおりに一発で成功する...などということはありえない。逆にいうと、なにごとも瞬時に理解できるように教わりたい、説明を一回聞いただけですべて理解できるように授業を進めてもらいたい、誰もが一発で成功するような手本を示してもらいたい...という要望を授業に求めないでほしい。それらは無理なことなのだ。少なくとも、この授業には求めないでほしい。

 この授業はオンライン・リモートで行っているが、受講生全員が同じ実習環境を共有しているとは限らない。コンピューター実習室で行う対面式の通常授業とはここが大きく異なるのだ。このことを受講生もよく理解してほしい。受講生の実習環境が異なるかもしれないということは、教員の視点から言えば、授業を進めていく上で配慮すべきことがらが増えるということを意味する。例えば、「〇〇の操作がわからない」という質問がある受講生から投げかけられたとする。この時に教員が考えるのは、その受講生が本当に困っている・わからないことは何なのかということである。同時に、教員の説明・受講生の理解が単に不十分であることが原因なのか、説明を繰り返したり表現を工夫すれば解消できるのか、ということも考える。加えて、実習環境の違いが説明・理解の障害になっていないか、ということも考える。OS・アプリケーションのバージョンの違いがあることによって教員の説明が意味のないものになってはいないか、教科書の説明と操作中のパソコンの表示画面が異なることで受講生は混乱していないか、ということを考える。

 パソコンに限らないが、機器の操作やサービスの利用についてのサポートのやり取りは非常に難しい。「お客様相談窓口」「サポートセンター」「ヘルプデスク」「テクニカルサポート」などの業務、いわゆるコールセンター業務が過酷であることを想像してほしい。利用者は何がわらかないのか、どのような情報を必要としているのか、何ができて何ができないのか...これらを電話やチャットだけで把握するのは簡単ではない。相談・サポートの基本は、利用環境の確認だ。どの機器・製品・サービスをどのような状況で利用しているのかを確認してはじめて、相談・サポート体制が整う。逆に言うと、利用環境が判明すれば、相談内容がより明確になり、より適切かつ限定されたサポートを提供することができる。このことは、オンライン・リモート授業でもまったく同様だ。

 この授業の受講生には、自分の実習環境についての情報提供ができるようになってほしい。パソコンに詳しくないから自分には無理だ、両親が購入してくれたから自分は知らない、パソコン屋さんにすべてお願いしたのでよくわからない...という態度はこの授業の受講生にはふさわしくない。授業をより円滑に進めるために、教員と受講生の間の情報共有に協力してほしい。教員はあなたのことをなんでも知っている天才ではないということを理解してほしい。

第3回目授業に向けての課題

以下の情報を青山に送信すること。送信期限は5月15日(木)(金)15時とする。

注意事項

第2回 自己紹介について(2)

他の受講生に聞いてみたいこと

 これまでに寄せられた「聞いてみたいことリスト」を確認すること。以下、参考意見を書いておく。

 「出身地」「地元」についての質問は不適切な場合がある。出身地という場合、国・都道府県・市区町村というレベルが考えられ、人によって解釈が異なる場合がある。また、出生地と生育地が異なる(例えば、青山は大都市の名古屋市で生まれたが、11歳の時に知多半島に引っ越しして、その後20歳まで過ごし、田舎者として育った)、居住地と生活拠点が異なる(例えば、浜松市寄りの磐田市内に住んでいるが、小学校から高校まで浜松市内の私立学校に通学して、日常の買い物も浜松市内に出向くという生活はありうるだろう)、引越しを繰り返したためにどの土地にも地元意識を持っていない(例えば、両親の転勤にともなって1〜2年間隔で転校することを強いられたために、故郷・ふるさと・実家が存在しない人を青山は実際に知っている)、という人もいる。地元意識は意外と人によって異なるものだ。

 リストの中にはある特定の人しか回答できない質問もある。例えば、「東京ディズニーランド&シーで一番好きなアトラクション」が該当する。東京ディズニーランド、ディズニーシーに行ったことがない人はこの質問には回答できない。他にも、「静岡県のいいところ・おすすめスポット(静岡県に住んでいる人が対象)」は、入学を機に静岡で暮らすようになった人は回答ができない。この質問を考えた受講生の意図は「自分は入学を機に静岡で暮らすようになったのだが、これまでずっと静岡で暮らしてきた人は、静岡のことを教えてください」というものだと想像する。だが、質問を受ける人の中には、まったく同様に、入学を機に静岡で暮らすようになった人がいるかもしれない。当然ながら、その人は静岡のことを教えてあげることができない。

 一方、誰にでも絶対に回答できる、とても回答しやすい質問もある。「はい」「いいえ」で回答できる質問は誰にでも絶対に回答できる、言ってみればとても親切な質問だ。例えば、「会ってみたい人はいますか」という質問なら「いる。静岡県知事に会いたい」「いない」「いる。ゆきぽよに会いたい」「いない」というような具合だ。「世界史と日本史のどちらが好きか」という質問なら、選択肢が2つしかないのでとても回答しやすい。「両方とも好きだ」「どちらも嫌いだ」という選択肢を入れても4つの選択肢から簡単に回答できる。「財布は長財布か二つ折りか」という質問も選択肢が2つなので、回答は容易だ。ただし、「電子マネー派なので財布を持っていない」「コインケースだけ持っている」というようなライフスタイルの人には答えにくいかもしれない。

 回答しにくい、回答が思いつかないという質問もある。「子供ができたらつけたい名前はなんですか」という質問は意表をついた独創的でおもしろい質問だが、即答できる人は少ないかもしれない。「名前の由来・エピソードを教えてください」という質問については、個人的なことをあまり開示したくないという人は、少し不快に思うかもしれない。やや漠然とした質問にも困惑する人がいるかもしれない。例えば、「ストレス解消法は何ですか」「何かハマっていることはありますか」のような質問に、「いろいろあるかもしれないけど、人にお話しするようなことが特に思いつかないなぁ」と感じる人がいるかもしれない。

 たかが自己紹介でいちいちそんな細かいことを考慮する必要があるのか、気軽に質問してはいけないのか、そもそも「簡単に答えられるごく短い質問」という指示が不適切じゃないのか、完全無欠の質問を提出しろというならそのように指示するべきではないか、後付けならなんでも適当なことを言えるんじゃないか...このようなことを思った人もいるかもしれない。あなたは正しい。だが、考えて欲しいのはそのようなことがらではない。気持ち良い人間関係を築くために配慮できることはあるか、相手を当惑させないように事前に工夫できるか、その場で臨機応変に対応して気まずい雰囲気を少しでも和らげられるか...たかが自己紹介だがされど自己紹介だ。Face2Faceではないオンライン・リモートの状況ならなおさらだ。加えて、テキストベースならさらに配慮や工夫、臨機応変さが求められる。もちろん、自己紹介の後に質問を受ける立場に自分が置かれたら、周囲からの配慮や工夫が少しだけでもあったらうれしいなぁと絶対に思うはずだ。

 以下のリストを確認して、さまざまなことがらをぜひ考えてもらいたい。

Aさんからの質問

Bさんからの質問

Cさんからの質問

Dさんからの質問

Eさんからの質問

Fさんからの質問

Gさんからの質問

Hさんからの質問

Iさんからの質問

Jさんからの質問

Kさんからの質問

Lさんからの質問

Mさんからの質問

Nさんからの質問

Oさんからの質問

Pさんからの質問

Qさんからの質問

Rさんからの質問

Sさんからの質問

Tさんからの質問

Uさんからの質問

青山からの質問

第2回 自己紹介について(1)

つまらない自己紹介をするな

 「武豊高校出身の青山です。パソコンが苦手なのでこの授業を頑張ろうと思います。よろしくお願いします」のような何の役にも立たない、何の味わいもない、薄っぺらい自己紹介をもう二度とするな、と強く言っておく。

 まず、自己紹介では出身校の紹介(または出身校の自慢)を二度とするなと、と言っておく。あなたの出身校はあなたの人格形成に大きな役割を果たしてきたことは間違いないし、それは否定しない。だが、自己紹介を聞く立場からすると、そのようなことを聞かされても何の面白みもない。ましてや、出身校の自慢なのだとしたら、自慢だとわかった瞬間にうんざりする。もし出身校を紹介するなら、出身校がどのような歴史や校風を持っているのか、地域でどのような役割を果たしてきているのか、何か特筆すべき活動や成果を積み重ねているのか、それらに自分がどのようにかかわってきたのか...ということを紹介すべきだ。それ以外の出身校紹介は、大胆に言えば、聞き手を不快にさせる可能性がある。そもそも、自己紹介を聞いている人の中には、県外出身者や留学生など、あなたの出身校をまったく知らない人さえいるのだ。

 次に、冒頭に記載した青山の自己紹介のような、音読して10秒にも満たないような自己紹介は、あなたについて何の情報も与えてくれない。あなたの人生はそんなに薄っぺらいものなのか、よく考えるべきだ。もちろん、自己紹介の内容、文字数や時間には特別なルールや決まりがあるわけではない。もし決まっていたとしたら、その範囲であなたの人生をすべて紹介することは不可能だ。だが、TPOをふまえた適切かつ適度な自己紹介があるはずだ。何が適切なのかまったく分からない、適度な自己紹介について想像もつかないということであれば、それはそれで仕方がない。ただし、あなたはこれまでの人生で他人のつまらない自己紹介をさんざん聞かされてきたはずだ。そして、そのたびに退屈させられてきたはずだ。そのようなつまらない自己紹介をあなたが他人に押し付けてはならない、ということを理解しておくべきだ。

 最後に、自己紹介は聞き手をもてなすために行うものだということを強調しておく。第1回目授業の課題として、あなたには他の受講生への質問を3つ考えてもらった。あなたは質問を3つ考えたが、この授業の受講生21名が考えた質問を集めると、質問数は60近くになる。他の受講生に尋ねたいことはそれくらい多種多様なのだ。また、自分が考えた3つの質問は、自分への質問でもあるのだ。自分の好きなこと、嫌いなこと、考えていること、経験してきたこと、不安に思っていること、楽しみにしていること...何か3つを聞き手に情報開示・提供したら、相手からも反応があるはずだ。そうすれば、聞き手との相違点が必ず見つかり、雑談のきっかけが芽生える(もちろん、共通点は見つからないかもしれない)。受講生が21名いたら、必ず誰かとの共通点が見つかるはずだ(もちろん、見つからないかもしれない)。60の質問にすべて答えることはできないのだが、思いつきで考えた3つか4つの質問に自問自答するだけで、人間関係が豊かになる可能性があるのだ。このような意味で、自己紹介は雑談相手や友達を作っていくために重要な役割を持つのだ。

 今後、人生のさまざまな場面で自己紹介をすることがあるだろう。何の役にも立たない、何の味わいもない、薄っぺらい自己紹介を二度とするな。つまらない自己紹介しかできなかった過去を反省し、役に立つ、味わい深い、体温が感じられる、おもしろい自己紹介ができるようになること。

第2回目授業に向けての課題

授業用メーリングリストを以下のとおり活用すること。

  1. すべての受講生に向けた自己紹介を電子メールの本文として送信すること。送信期限は5月1日(金)21時から11日(月)17時までとする。
  2. 他の受講生の自己紹介に返信すること。個人宛に返信しないこと。送信期限は5月1日(金)21時から11日(月)17時までとする。
  3. 教科書発注手続き・受け取り状況について報告すること。

第1回 ガイダンスと受講生へのメッセージ

全授業共通のガイダンス、事務連絡

  1. 教科書購入手続きを進めること
  2. 学内Webメールを利用すること
  3. 時間割登録手続きを進めること
  4. 通信障害が原因の授業欠席については、担当教員の指示を受けること

メッセージ1 教科書を読むこと

 他の教員・授業の事情はわからないが、青山による授業は、量はともかくとして、質はそれほどよくない。悪いことに、コロナ禍の中、オンライン・リモート授業が強いられることによって、これまで以上に量と質が落ちる可能性が高い。一方で、教科書の量と質は絶対に変わらない。しかも、青山による授業に比べて、量と質ともにはるかに水準が高い。

 このことをふまえて、教科書を丁寧に読むこと。なお、教科書を中心に勉強することは受験勉強の基本だった、受験勉強で迷った時に帰る場所は常に教科書だった、ということを忘れてはならない。

メッセージ2 自習をすること

 自分の知りたいことを授業時間内に完全に理解するということはできない。自分が教わりたいと思っていること全部を授業時間内に教わることはできない。自分のわからないことを授業時間内に100%わかるようになるのは不可能だ。自分ができないことを授業時間内に完璧にできるようになるのも絶対にありえない。何かを習得する・理解する・克服するためには90分という授業時間はそもそも不十分で、授業時間外での自分なりの活動や創意工夫が必要不可欠だ。

 このことをふまえて、ちゃんと自習をすること。ちなみに、大学の単位・成績認定は学生が予習・復習に相当の時間をかけることを前提としている。

メッセージ3 他人から教わること

 授業中にはまったくわからなかったことが塾では理解できた、塾でも理解できなかったことが友達に聞いたら理解できた、教員の説明より友達の説明の方がわかりやすい、教員より両親・親戚・祖父母の方が頼りになる...これらは昔から続く「学校あるある」「勉強あるある」だ。また、教えてくれる人が身近にいなくても、あなたの身近にはインターネットがある。インターネットにいる親切な人はあなたの疑問に答えてくれるかもしれない。インターネットにいる親切な人は同時にお節介でもある傾向が高く、さまざまなテーマや内容を丁寧に解説してくれるウェブサイトを開設していることが多い。インターネット時代に生きるあなたは、これを利用しない手はない。

 このことをふまえて、他人から教わることを厭わず、身近な人間関係やインターネットをさまざまに駆使すること。もちろん、教わったことを誰か別の人に教えることで技術や知識を紡いでいき、社会の発展に貢献することが望ましい。言うまでもないが、質疑応答の第一の相手は授業担当教員だということを決して忘れないこと。

メッセージ4 学内Webメールを利用すること

 これまでに電子メールを使ったことがない、使うとしてもスマホの電子メールで十分だ、スマホの電子メールで事足りるのになぜ学内Webメールを使わなければならないのか、LINE・Twitter・Instagramの時代には電子メールなんて時代遅れだ...あなたのプライベートな時間・人生であれば問題ないが、あなたはこの授業の受講生として学内Webメールを利用する義務がある。これは、教員と受講生の間の契約のようなものだ。

 このことをふまえて、学内Webメールを確実に利用できるようになること。ちなみに、この授業の受講生はすでに学内Webメールを通じて青山と何度か連絡をやり取りしているはずだ。

メッセージ5 調子こいて生きていくこと

 パソコンが苦手なので教科書どおりには絶対にできない、知らない言葉がたくさん書かれている説明が理解できない、教員の言っていることが難しい、こんなことを質問したらバカかと思われそうで恥ずかしい、他の人と違って自分は頭が悪いのでもうダメだ...これらは言わばあなたの自分勝手な思い込み・言い訳・幻想だ。失敗や試行錯誤を恐れず、心のリミッターをはずして授業に取り組むことが学生の本分であり、この授業の受講生に課せられた義務だ。

 このことをふまえて、調子こいて生きていくこと。年寄りに「この若造が、調子こいてやってんじゃねー」と言われたら、「まだ若いんで、すみませんねー」と言い返す気構えを持つこと。

メッセージ6 これまでの人生経験を生かすこと

 スポーツに取り組んできた人は、技術の上達や好成績の獲得のためには、失敗や試行錯誤の連続が不可欠だということを知っている。芸術を志したことがある人は、自分の内面をより適切に表現できるようになるためには、他人の指導や助言を丸ごと受け入れるのではなく、適度に噛み砕いて自分なりに解釈する必要があるということを知っている。受験勉強に邁進してきた人は、それなりに創意工夫して勉強すれば意外となんとかなるということを知っている。一夜漬けの試験勉強を経験したことがある人は、それがよい結果をもたらすとは限らないということを知っている。

 これらのことをふまえて、大学の授業にそれなりに真摯に取り組むこと。なお、真摯に取り組むとは全身全霊をかけて取り組むということを意味しないので、注意すること。少なくともこの授業には全身全霊をかけて取り組む価値はないので、十分に注意すること。

本日の課題

以下を記載した電子メールを青山に送信すること。送信期限は4月27日(月)17時とする。

  1. あなたの自己紹介
  2. 他の受講生への3つの質問